U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

Jirafa(作曲家)

【Salone report】 2019.9.29 「映画音楽カミクダキ」

9月29日は、スペシャルサローネ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の作曲家 周防 義和さんによります「映画音楽カミクダキ」を開催いたしました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございます。

映画音楽カミクダキ」では周防 義和さんが、周防さんと一緒に活動されている作編曲家のJirafaさんとともに、周防さん、Jirafaさんが手がけられたCMの映像を映画を題材に、おもしろエピソードを交えながら、映像音楽の創られ方や効果について解説してくださいます。

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新店舗に移転してからは初となる「映画音楽カミクダキ」。
今回のカミクダキ題材は周防さんが手掛けた映画、それもミュージカル仕立ての映画です。
監督は周防さんの従兄弟である正行さん。

この映画は“方言”がとてもキーとなっている映画です。
方言のイントネーションのアゲサゲを意識して曲のメロディーを作る、という苦労もあったそうです。
またミュージカル映画とは言うものの、歌っている間もストーリーが進行するという少し変わった特徴もある映画。
そのようなエピソードも交えながら、音楽の効果、狙いなどをカミクダいていただきました。

またこの映画はある映画のオマージュになっていて、映画のタイトルもそうですが、至るところに元となる映画のオマージュが散りばめられています。そんなところをカミクダいていただいた後で、映画本編を観ると、より一層愉しめること間違いなし!です。


映画音楽の特徴のひとつが、音楽も“オト”として扱わること。
役者さんのセリフ、物音、などと同じく音楽も“オト”として意識し、“オト”同士がぶつかったりしないような配慮がされています。
また映画音楽を効果的に使うことで、説明がなくても観ている人の気持ちを連れて行きながら時間・空間を変えることができます。
そんな効果を実際の映画のシーンを使って、時折ピアノを使ったカミクダキも交えて解説していただきました。

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映画音楽カミクダキ」では、毎回周防さんが映像と音楽を結びつけるクイズを用意して下さるのですが、今回は「どんな映画か想像しよう!」でした。

本来は音楽のないとある映画のオープニングに、周防さん、Jirafaさんが付けた曲4パターンを聴き比べて、その映画のストーリーがどんなものであるかを想像する、というものです。

周防さんが「“音楽”がイニシアチブを取る」とおっしゃるように、映像はまったく同じなのに、想像されるストーリーがまったく違う世界観になる、という不思議な実体験をさせていただきました。

映画音楽はセリフを言った人の氣持ちだったり、ストーリーをわかりやすくしてくれるものなのですね。


今回の「映画音楽カミクダキ」のあとも、お時間ございます方とともに、アフターアワーを愉しみました♪
今回のアフターアワーは「ラブシーン・カミクダキ」でした。

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ラブシーンにはドラマチックな音楽が付きもの。
ですが、今回カミクダいてくださったのは、王道ではないけれども実に斬新な映画音楽の使い方がされている映画&シーンでした。

中には「無音」というオトの効果的な使い方をしているものもあったり。
周防さんおっしゃるように、映画音楽には基本と傾向はあるものの“ルール”はない、ということが改めてわかりました。

紹介くださった映画も興味深いものばかり。
映画本編を観ながら、音楽効果もぜひ贅沢に愉しんでみたいです♪ 

【Salone report】 2018.11.25 「映画音楽カミクダキ」

本日は、スペシャルサローネ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の作曲家 周防 義和さんによります「映画音楽カミクダキ」を開催いたしました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございます。

映画音楽カミクダキ」では周防 義和さんが、周防さんと一緒に活動されている作編曲家のJirafaさんとともに、周防さん、Jirafaさんが手がけられたCMの映像を映画を題材に、おもしろエピソードを交えながら、映像音楽の創られ方や効果について解説してくださいます。

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本日の「映画音楽カミクダキ」はまず周防さんが手掛けられたCMを題材にした“カミクダキ”から。
CMの中には、“商品”ではなく“企業イメージ”を伝えるものもあります。
そんなCMのひとつを、絵コンテから撮影映像、そして周防さんが音を付けたもの、それぞれの段階にカミクダいて紹介いただきました。

そして、今回はブレイクを挟みながら「映画音楽カミクダキ」をたっぷりとしていただきました。
今回取り上げられた映画は、2004年に配給東映で公開された映画。小林弘利さん、犬童一心さんが脚本を担当、犬童一心が監督された“シチュエーション・コメディー”。
出演の青島幸男さん、藤岡琢也さん、森繁久彌さんは、この映画が遺作となったそうです。

設定は高級老人ホームで気ままな生活を送っていた、仲のよい老人6人組。
タイトルから重たい、感動的なテーマの映画・・・かと思いきや、コメディータッチの、それでいてじんわり感動するストーリーと演出。

今回は「映画のある場面にどんな音を付けたか?」
をクイズ形式で2問、出されました。
結果から言うと、そのシーンとはほど遠いイメージの音楽。
なぜそのような音楽になったか?
その理由、決まるまでの経緯など紹介くださいました。

また、劇中の俳優さんの演技も、監督の演出なのか? 俳優さんのアイデアなのか? といった、制作現場にいないとわからないようなお話も織り交ぜながらの紹介は、その俳優さんの凄さを識るステキなエピソードになりました。

この映画はぜひ全編通して観てみたいです。


今回の「映画音楽カミクダキ」のあとも、お時間ございます方とともに、アフターアワーを愉しみました♪
今回のアフターアワーはミニライヴ、でした。

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作曲家 周防 義和さんの顔から、今度は演奏家 周防 義和さんの顔に。
“tomo the tomo carpe diem”としてともに活動されているヴォーカルのtomo the tomoさん、周防さんはエレキギターで、そしてJirafaさんはピアノで、と3人でのライヴ。

曲はアルバム「Carpe diem」にも収められている曲で、映画「それでも僕はやってない」のエンディングテーマや「舞妓はレディ」で採用となった曲など、周防映画のファンの方にはたまらないセットリスト♪

「Drugstore Girl」では、Jirafaさんはメロディオンで演奏。

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tomo the tomoさんは生声でヴォーカル。周防さん、Jirafaさんがコーラスで加わったり。
映画音楽を生演奏で愉しむ、ステキなアフターアワーとなりました♪


<ミニライヴのセットリスト>
1. 静けさの中で
2. Road to rebirth
3. 月の夜 夢の谷 今宵シャンパンの泡とともに
4. Drugstore Girl
5. 夜の終わりに想う歌

Encore だってひとりじゃない 

【Salone report】 2018.6.10 「映画音楽カミクダキ」

本日は、スペシャルサローネ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の作曲家 周防 義和さんによります「映画音楽カミクダキ」を開催いたしました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございます。

映画音楽カミクダキ」では周防 義和さんが、周防さんと一緒に活動されている作編曲家のJirafaさんとともに、周防さん、Jirafaさんが手がけられたCMの映像を映画を題材に、おもしろエピソードを交えながら、映像音楽の創られ方や効果について解説してくださいます。

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本日の「映画音楽カミクダキ」も2部構成。
1部はコマーシャル音楽編。
CMは15秒、長くても60秒。その中で、その商品のコンセプトなど伝えたいことが凝縮されています。
その伝えたいイメージを大きく担うのが、実は映像音楽。

今回紹介くださった題材では、例えば「化粧品」のCM。
「くすみの原因を消しちゃうの」というキーワードをきっかけに、「肌が明るくなる」ような感じを曲調でも表現したり。
「なんのCMだろう」と興味を引くような音楽で始まったり(CMは見てもらうことが大切なので)。

また「お出汁」のメーカーのCMでは、「忙しい朝でも味噌汁くらいは飲みましょう」というメッセージを伝えるために、CM内の女優さんはバタバタしているけれど、音楽はしっとりゆったりすることで、伝えたり。

などといった工夫のカミクダキをしていただきました。


また今回もピアノを使って、スケールの解説や、ほかにも参加くださった方が愉しめるような趣向も盛り込まれていました。

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周防さんとJirafaさんがサングラスをしているのは、実は「マイナーコード占い」のため。
4つのパターンのどのマイナーコードが好きかで恋愛のパターンが分かるのだとか!
実際に参加くださった皆さまも、ご自分の回答とJirafaさんの解説を聴いて納得されていました。


ブレイクをはさんで2部は、周防さん、そしてJirafaさんも劇伴奏音楽を担当された映画の中の音楽効果のカミクダキ。

取り上げられた映画は、松竹映画製作で、2014年6月21日に全国252スクリーンで公開された、本木克英監督、主演には佐々木蔵之介さんや深田恭子さんがキャスティングされた時代劇。

江戸時代の参勤交代の参勤(江戸に出向くのが参勤、江戸から国元に帰るのが交代と言うのだそうです)を題材にしたストーリーで、舞台は福島県いわき市に実在した湯長谷藩。

今回もテーマ音楽のアレンジの意味だったり、音の入れ方、またはセリフを際立たせるために敢えて音楽を抜いた場面など、カミクダいていただきました。


また、映画冒頭で、国元に帰ってきた途上のお殿様が、国の百姓さんが取ったばかりの大根をかじって
「よい土になってまいった」
と声を掛け、そしてラストの方では、時の将軍と殿様が差しで会話をするところで、
「いわきの土を汚すでないぞ」
と声を掛けられ、
「とこしえに」
と応えるシーンがあります。

これは、暗に込められた福島県の現状のメッセージです。
それを識った上でもう一度この映画を観ると、また違った鑑賞ができることと思います。

「映画には無駄なシーンはひとつもない」
と、周防さん。
だから、まずはすべてのシーンを、主役の後ろの方で動いている人の動きまでもちゃんと観ること。
そうすると、その映画で伝えたいことがもっと受け取ることができる。
そんな映画の鑑賞方法もカミクダいていただきました。


今回の「映画音楽カミクダキ」のあとも、お時間ございます方とともに、アフターアワーを愉しみました♪

次回は11月25日に開催致します。 

【Salone report】 2018.2.25 「映画音楽カミクダキ」

本日は、スペシャルサローネ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の作曲家 周防 義和さんによります「映画音楽カミクダキ」を開催いたしました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございます。

映画音楽カミクダキ」では周防 義和さんが、ご自身が手がけられたCMの映像を題材に、おもしろエピソードを交えながら、映像音楽の創られ方や効果について解説してくださいます。
周防さんと一緒に活動されている作編曲家のJirafaさんが、ピアノでスケール(音階)や題材音楽のキーとなる部分を弾き比べてくださることで、さらに実感しやすくなりました。

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本日の「映画音楽カミクダキ」は2部構成。
1部はコマーシャル音楽編。
CMは15秒、長くても60秒。その中で、その商品のコンセプトなど伝えたいことが凝縮されています。
その伝えたいイメージを大きく担うのが、実は映像音楽。
ということを、同じ映像を使って重ねる音楽を変えたCMを見比べることで、本当に実感できました。

そしてほんの2秒ほどの重ねのずらしだったり、リズムを消した音にすることによる体感効果だったり。
クイズも交えた解説で、CM音楽の世界の面白さを教えていただきました♪


ブレイクをはさんで2部は、周防 正行監督作品「Shall We ダンス?」の中の音楽効果。
ひとつの音楽でもっていろんな場面をつないでいく効果(モンタージュと呼ぶそうです)、その中でどんな効果を狙ってのアレンジ変更か?などを解説いただきながら、場面場面を観るという内容。

「Shall We ダンス?」では主人公の「岸川舞(草刈民代さん)」と「杉山正平(役所広司さん)」それぞれにテーマとなるワルツ曲があるのですが、場面によってどちらのワルツ曲が使われているかに注目すると、その場面でどちらの心情変化を表しているか?がわかり、それによってさらにさらに映画が愉しめます。

また登場人物の名前の付け方にも周防 正行さんの意図があり、それ(例えば探偵の三輪(柄本明さん)など)が分かるとより愉しめます。


今回は「映画音楽カミクダキ」のあと、さらにアフターアワーもありまして。
お時間ございます方とともに、アフターアワーを愉しみました♪

次回は6月10日に開催致します。 
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