U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

谷口由美子

【Salone report】2023.12.17 「大草原の風トリオ コンサート」

12月17日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」のスペシャルヴァージョン、「大草原の風トリオ・コンサート」を開催いたしました。
来場下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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10作のシリーズ本「大草原のローラ」の話には、とうさんがヴァイオリンでさまざまな曲を演奏するシーンが出てきます。その数、なんと120曲!とも言われています。
その音楽を聴いてご存知の方は曲名を読むと音楽が頭の中に流れるかもしれません。
ですが、残念なことに、物語を読んでいるだけでは音楽は聞こえてきませんから、その曲をご存知ないと豊かな音楽のシーンを味わうことができません。

物語を読みながら頭の中で曲が鳴るとより物語の世界が活き活きとして愉しくなる、はず。
谷口さんはヴァイオリニストの福山 陽子さん、そしてピアニストの菅原 真理子さんとともに「大草原の風トリオ」を結成して、「大草原のローラ」の物語を耳でも愉しむ活動を行っています。

福山さんが“とうさん”、菅原さんが“かあさん”、そして谷口さんが“ローラ”となって、ルックスからもう物語「大草原のローラ」の世界へと誘います♪

コンサートへ誘う「Jingle Bells」のウェルカム演奏からいよいよコンサートへ。

コンサートは2部構成で行われました。

第1部は、谷口ローラが進行役となって、出展物語と曲名を紹介して、福山とうさんと菅原かあさんが演奏していきます。
曲が出てくる作品のくだりを谷口ローラが解説してくださることで、大草原のローラの世界をよりたっぷりと愉しむことができました。


「大草原のローラ」シリーズで出てくる曲を実際に演奏で愉しんだあとのブレイクタイムで、ローラ家族も含めてみんなでお茶タイム。
今回のお茶請けスイーツは、ローラが母となってからのレシピをまとめた「ようこそ ローラのキッチンへ」の中から、「ソースパンで作るココア・ブラウニー」を創りました。

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ティーブレイクのあとは第2部、音楽ファンタジー
本の訳者でもある谷口ローラがお話をギュッと40分ほどの脚本に要約し、それに菅原かあさんが音楽を付けた、「大草原の風トリオ」オリジナルの朗読音楽劇です。

谷口さんは、ローラと、のちにローラの夫となるアルマンゾとの関係がストーリーの中心を担っている「長い冬」、「大草原の小さな家」、そして「この楽しき日々」を、ロマンス3部作と紹介されているのですが、この度、3部目の「この楽しき日々」の脚本が完成された、そうです。
そして、今は、披露に向けて、取り組んでいらっしゃるとのこと。

今回は、過去2作品のダイジェスト、そして3部目のプロローグを先行お披露目くださいました。


そして、最後は「大草原の風トリオ」から演奏のクリスマスプレゼント。
福山とうさん、菅原かあさん、そして谷口ローラとともに、ローラ一家となったように「もろびとこぞりて」を、みんなで歌いました。

そしてそして。
賑々しい「Dixieland」、そして、もう一度、クリスマスソングを贈ってくださいました。


ご来場くださいました皆さまとともに、音で聴く「大草原のローラ」の世界のひとときを愉しむことができました♪
ありがとうございます♪

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プログラム
<オープニング>
Jingle Bells

<第1部>
1. My Kentucky Home 「プラム・クリークの土手で」から
2. Barbary Allen 「シルバー・レイクの岸辺で」から
3. Marching Through Georgia 「大草原の小さな町」から
4. The Old Gray Mare 「長い冬」から
5. Whip-Poor-Will's Song 「大草原の小さな町」から
6. Golden Years Are Passing By 「この楽しき日々」から


<ティーブレイク>

<第2部>
音楽ファンタジー 3部作
1「長い冬」から
プロローグ
第2章 「インディアンの警告」

2「大草原の小さな町」
プロローグ
第5章 「家までお送りしてもいいですか?」

3「この楽しき日々」から
プロローグ

<アンコール>
もろびとこぞりて
Dixieland
White Christmas 

【Salone report】 2024.10.22 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

10月22日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、「ルイザ・メイ・オルコットの作品世界」でした。

ルイザ・メイ・オルコットと言えば「若草物語
と連想される方も大勢いらっしゃると思いますように、「若草物語」はルイザ・メイ・オルコットの代表作であることは間違いありませんし、「若草物語」を抜きにルイザ・メイ・オルコットを語ることはできないと思います。

ですが谷口さんの茶論トークでも、ルイザ・メイ・オルコットのいろんな作品を紹介してきたように、「若草物語」以外にもルイザ・メイ・オルコットのすばらしい作品があります。
今回は、そんなルイザ・メイ・オルコットの「若草物語」以外の作品にもスポットを当てての茶論トークでした。

ルイザ・メイ・オルコットは、17歳の時に文学作品を出しているように、「若草物語」の前からもさまざまな作品を執筆していました。
その作品は、「若草物語」の中で、ベア先生が「そのような作品を書いてはいけない」と苦言を呈したような作品が多かったそうです。

そんなルイザ・メイ・オルコットの最初のヒット作が「病院のスケッチ」という、ルイザが南北戦争の傷病者の手当のお手伝いをした実際の経験をまとめた作品だったそうです。
このことから、ルイザは「リアルなことが人の心を打つ」ことに気づかせました。

そして、この傷病人を手当てした経験が、ルイザに1回目のヨーロッパ旅行の付添人のチャンスをもたらします。
そして、この1回目のヨーロッパ旅行と自身の4姉妹の話から「若草物語」の1巻目が生まれます。

若草物語」の1巻目が生まれた1868年、白人のアメリカ人の関心ごとは、自分たちのルーツである「ヨーロッパに行くこと」でした。
その中でも憧れの地とされたのが“フランス”だったそうです。

この「白人アメリカ人のフランスへの憧れ」をギュッと作品に込めたのが、谷口さんが訳された「8人のいとこ」シリーズです。

また、谷口さんの新刊「「若草物語」ルイザのヨーロッパ旅物語」のように、自身のヨーロッパ旅行を元にした作品も既知のとおりです。


また、それ以外にも、谷口さん以外の方が訳された、ルイザ、そして若草物語のマーチ一家を題材にした興味深い作品もたくさん紹介くださいました。


そして、茶論トークでは、現在テレビドラマとして放映されている「若草物語」をベースにした翻案ドラマのお話も語られました。

【Salone report】 2024.7.16 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

7月16日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、出版されたばかりの「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」でした。

ルイザは2回、ヨーロッパを旅していて、それぞれ旅を元にした作品を残しています。

時系列としては、ルイザの最初のヨーロッパ旅行は貿易商のお嬢さんの付き添いとして。
その時に、スイスのレマン湖にて、ルイザはポーランド青年とステキな時間を過ごします。

二回目のヨーロッパ旅行は、「若草物語」の1冊目と2冊目を出版した後で、妹のメイの友人と3人で旅行しています。つまり、二回目の時は自分の収入で、しかも有名人となって旅行しています。

今回谷口さんが手掛けられた「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」では、一度目の旅行の作品と二度目の旅行の作品、それ以外にも、ポーランド青年とのことを綴った小作品などを一緒に収められています。

ルイザは、一度目のヨーロッパ旅行の作品は、ノンフィクションなスタイルで、二度目のヨーロッパ旅行はフィクションスタイルで書いています。その辺りの“事情”も、茶論トークでお話しくださいました。

谷口さんが「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」をまとめようと思われたきっかけは“パンデミック”の期間。
旅行も、人にも会うことも制限されていた時期に、兼ねてから思っていた“ルイザの旅行記の翻訳”を手掛けることにしたそうです。

今回の「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」を世に出した谷口さんの想いは、ルイザが2回目のヨーロッパ旅行を元にしたノンフィクション作品の最後の章で書き記している言葉に重なるそうです。
その言葉とは
「みなさん(読者のこと)、旅に出なさい。」

今回は、オルコット一家が出てくるノンフィクション作品「ロッタの夢」も合わせて紹介くださいました。

【Salone report】 2024.4.16 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

4月16日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回はいつもと趣向が違いまして、谷口さんが取り上げましたのは、毬矢まりえさん、森山恵さんが翻訳された「A・ウェイリー版 源氏物語」でした。

谷口さんがこの翻訳本を知るきっかけとなったのは、「大草原の風トリオ」の朗読パフォーマンスのために谷口さんが朗読を習っている先生の元に、翻訳をされた毬矢まりえさん、森山恵さん姉妹から直接朗読の依頼があった、という話を先生から聞かれて、とのこと。

毬矢まりえさん、森山恵さんはともに文学少女で、百人一首も大好きで源氏物語も大好きな姉妹。
方やフランス文学家であり歌人、方や英文学家であり詩人。
そんな二人が、「訳したい!」という情熱を注いで訳したのが、「源氏物語」のアーサー・ウェイリーが英訳版です。

1000年の昔に、紫式部の手によって生まれた小説「源氏物語」。
900年の時を経て、アーサー・ウェイリーが英語で翻訳するきっかけとなったのは、アーサー・ウェイリーが大英博物館の東洋版画・写本部門の学芸員として勤務していた時に、「源氏物語の十二帖“須磨”」の絵を目にして「この作品を読んでみたい!」と思ったこと、とのこと。

アーサー・ウェイリーが教育を受けていた時代はイギリスのヴィクトリア朝時代。
そのため、源氏物語が描く日本の“パレス生活”の世界が、当時のイギリス読者には「華やかなりしヴィクトリア朝のパレス物語」として彷彿させたのかもしれない、と谷口さん。

そのアーサー・ウェイリーが訳した「源氏物語」を100年の時を経て、現代語訳した毬矢まりえさん、森山恵さんの訳本。
アーサー・ウェイリーが訳した世界を活かしつつ、歌人・詩人らしく、アーサー・ウェイリーが内容は訳しつつも全部を訳さなかった和歌を全部入れるなど、源氏物語がお好きな姉妹らしい訳本となっているそうです。

また、一度、英単語になっているものを日本語にしているので、古文を現代文に訳した源氏物語よりも読みやすくなっている、と谷口さんはおっしゃっていました。

アーサー・ウェイリーが訳した「源氏物語」は欧米でも当時も、そして今でも評価が高く、それこそが「翻訳」のすばらしさだ、と谷口さん。
翻訳本は、文学作品を、国を、そして時代を超えさせることができるのですね。

【Salone report】 2024.2.13 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

2月13日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、フランシス・ホジソン・バーネットの「秘密の花園」でした。

新装版で、完訳が出たこともあって、その本とともに、作家 バーネットのこと、そして「秘密の花園」の魅力をお話しくださいました。


「外国の作家あるある」なのが、「どの国の作家と紹介すればよいのか?」があります。
生まれた国と活躍された国、そして国籍が違うということは欧州の作家にはよくあることなのだそうです。
今回のバーネットの場合、生まれは英国マンチェスターですが、作家活動を始めたのはアメリカ テネシー州に移ってから、そして「秘密の花園」はアメリカ国籍を取ったあとに出版されていますので、谷口さんは“アメリカの作家”と紹介するようにしているそうです。

秘密の花園」は、作中で“魔法”が起きるのですが、それは決してファンタジー要素が入っていない“リアル”な出来事で“魔法が起きる”お話です。

今回の新装版は、「青い鳥文庫」で3冊シリーズとして谷口さんが翻訳を手掛けられたものを元に、完訳として出版されたものです。
「青い鳥文庫」のように、ダイジェスト的に訳された“簡訳”では省略されることは、実は原作者がとても伝えたいことであったりもします。

ダイジェストにはダイジェストの良さがあり、そこからさらに深い愉しみがある完訳に触れる良さもある。
と谷口さんはお伝えくださいました。

作中でどんな“リアルな魔法”が起きるのか? を愉しむと同時に、作中の舞台、イギリスのヨークシャーで、ヨークシャー訛りで話す場面と標準語英語で話す場面が原作では描かれているのですが、“訛り”を翻訳するのは、翻訳者の方が悩まれるところでもあります。
今回の訳での谷口さんがされた工夫は・・・

それもぜひ、本を手に取って、愉しんでみてください。
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