U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

谷口由美子

【Salone report】 2026.2.10 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

2月10日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、谷口さんが訳された「キャロル・ライリー・ブリンク」の作品でした。

キャロル・ライリー・ブリンクは、日本ではあまり知られていないアメリカの児童文学作家ですが、アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられる賞「ニューベリー賞」も受賞している、アメリカの児童文学黄金期に活躍した作家です。

谷口さんは「英米児童文学史」を愛読され、そこで紹介されている本は、どんどん集めていらっしゃったそうで、キャロル・ライリー・ブリンクの作品も、そのような経緯で手に入れていたものだそうです。
そのうちの3冊を訳され、出版社に掛け合って、翻訳本として出版されています。

最初の1冊目は「ミンティたちの森のかくれ家」です。
この本は、お父さんと娘二人の家族のお話。
大恐慌時代のアメリカ。失業して町で暮らせなくなったパパと二人の娘が、裕福な伯母を頼っていく途中、車の故障で立ち往生します。困り果てた3人は、夏場の別荘を見つけ、ひと冬をこっそり過ごさせてもらおうと決めましたが・・・。

この日、2月10日は「パンケーキの日」でもあったのですが、「ミンティたちの森のかくれ家」は「パンケーキ」が重要な役割を果たすお話です。


2冊目は「小さいママと無人島」です。
この本は12歳と10歳の赤ちゃん大好きな姉妹が、父の居るオーストラリアへと向かうアメリカから乗船した船が嵐に遭遇して、無人島に漂着し、ともに漂着した赤ちゃんの世話をするというお話。
この話は、作者のキャロル・ライリー・ブリンクがまだ子供だった頃は、近所の赤ちゃんを預かってあやすということが日常的だったことがベースになっています。
本が出版された1937年当時のアメリカでは、そのような光景が少なくなってきていたそうで、女の子は赤ちゃんの面倒をみることが大好きだ、ということを伝える作品にもなっています。


3冊目は「アーマのうそ」です。
このお話は、引っ越したばかりで人見知りがちな、ちょっと冴えない感じで表現されるアーマが主事人口のお話。アーマが語った“ちょっとしたうそ”がきっかけで、アーマは学校中さらには街中から注目を集めるようになるのですが・・・。


キャロル・ライリー・ブリンクは、1930年代のアメリカ大恐慌の時代の人々に、希望を与える児童文学が生まれた「アメリカ児童文学黄金期」の作家のひとり。
そんなキャロル・ライリー・ブリンクのすばらしい作品に、ぜひ触れてみてください。

【Salone report】2025.12.16 「大草原の風トリオ コンサート」

12月16日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」のスペシャルヴァージョン、「大草原の風トリオ・コンサート」を開催いたしました。
来場下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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10作のシリーズ本「大草原のローラ」の話には、とうさんがヴァイオリンでさまざまな曲を演奏するシーンが出てきます。その数、なんと120曲!とも言われています。
その音楽を聴いてご存知の方は曲名を読むと音楽が頭の中に流れるかもしれません。
ですが、残念なことに、物語を読んでいるだけでは音楽は聞こえてきませんから、その曲をご存知ないと豊かな音楽のシーンを味わうことができません。

物語を読みながら頭の中で曲が鳴るとより物語の世界が活き活きとして愉しくなる、はず。
谷口さんはヴァイオリニストの福山 陽子さん、そしてピアニストの菅原 真理子さんとともに「大草原の風トリオ」を結成して、「大草原のローラ」の物語を耳でも愉しむ活動を行っています。

福山さんが“とうさん”、菅原さんが“かあさん”、そして谷口さんが“ローラ”となって、ルックスからもう物語「大草原のローラ」の世界へと誘います♪

コンサートへ誘う「Jingle Bells」のウェルカム演奏からいよいよコンサートへ。

コンサートは2部構成で行われました。

第1部は、谷口ローラが進行役となって、出展物語と曲名を紹介して、福山とうさんと菅原かあさんが演奏していきます。
今回は、「大草原の風トリオ」のオリジナルプログラム「音楽ファンタジー」にちなみまして、第一作「長い冬」、第二作「大草原の小さな町」、そして第三作となる「この楽しき日々」の中に出てくる曲で「音楽ファンタジー」では使わなかった曲が演奏されました。

「大草原のローラ」シリーズで出てくる曲を実際に演奏で愉しんだあと、みんなで「きよしこの夜」を歌ってから、ブレイクタイムで、ローラ家族も含めてみんなでお茶タイム。
今回のお茶請けスイーツは、ローラが母となってからのレシピをまとめた「ようこそ ローラのキッチンへ」の中から、「コーラさんのクリーム・ケーキ」を創りました。

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ティーブレイクのあとは第2部、音楽ファンタジー
本の訳者でもある谷口ローラがお話をギュッと40分ほどの脚本に要約し、それに菅原かあさんが音楽を付けた、「大草原の風トリオ」オリジナルの朗読音楽劇です。

谷口さんは、ローラと、のちにローラの夫となるアルマンゾとの関係がストーリーの中心を担っている「長い冬」、「大草原の小さな家」、そして「この楽しき日々」を、ロマンス3部作と紹介されているのですが、この度、3部目の「この楽しき日々」が完成。そして、今回、そのお披露目初演となりました。


最後は「大草原の風トリオ」から演奏のクリスマスプレゼント。


ご来場くださいました皆さまとともに、音で聴く「大草原のローラ」の世界のひとときを愉しむことができました♪
ありがとうございます♪

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プログラム
<オープニング>
Jingle Bells

<第1部>
*音楽ファンタジー「長い冬」より
1. The Old Gray Mare
2. Where There's a Will, There's a Way

*音楽ファンタジー「大草原の小さな町」より
3. Whip-Poor-Will's Song
4. The Good Old Way

*「この楽しき日々」より
5. Highland Mary
6. Love's Old Sweet Song

7. きよしこの夜


<ティーブレイク>

<第2部>
音楽ファンタジー 「この楽しき日々」完全版

<アンコール>
White Christmas 

【Salone report】 2025.10.28 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

10月28日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、「8人のいとこ①、②」でした。

“若草物語”の作者として知られるルイザ・メイ・オルコットは、“若草物語”以外にもステキな作品を世に出していますが、この「8人のいとこ①、②」もそのひとつです。

8人のいとこ①、②」の作品の魅力に加えて、谷口さんからルイザ・メイ・オルコットの訳本についてのお知らせがありました。
そのひとつは、この茶論トークでも話題になっていたことについて、でした。
来年2026年は、“若草物語”の4巻目が出版された1886年から160周年、そして初めて「小婦人」として日本語訳本が出た1906年から120周年。
この年に、いよいよ谷口さんの訳で・・・というお知らせがありました。

そして、「8人のいとこ①、②」の魅力のお話。
お話は、孤児になってしまった女の子 ローズが主人公。
ローズの叔父にあたるアレックおじさんに引き取られ、ローズのいとこにあたる7人の男の子と出会い、物語が始まる“ヤングアダルト小説”です。

8人のいとこ①、②」では、出版された当時のアメリカの白人社会の世相でもある「ルーツであるヨーロッパへの憧れ」がベースに組み込まれています。
また、アレックおじさんはローズを引き取るだけではなく、いろいろな教養も与えていくのですが、たとえば「喫煙や飲酒は身体に良くない」だったり、ローズの結婚にまつわる女性観など、「8人のいとこ①、②」の作品を通じて、作者 ルイザの思想も表れています。
物語の詳しい内容は、ぜひ、作品をお読みになっていただければと思います。


谷口さんは、「8人のいとこ①、②」を訳す時にでも、さまざまな工夫をされています。
谷口さんが仰るに、作者であるルイザは、まさか自分の作品が150年後に英語圏以外の国に翻訳されるとは夢にも思っていなかったであろう、と仰います。
なので、英語圏の方には暗黙的に理解できる内容が、作中にいくつも見られます。

谷口さんは、ご自身が読者だった頃に、「いまひとつ、わかりづらい」と感じていた経験をたくさんしていらっしゃることから、翻訳をされるときに、原書に加えて、英語圏の暗黙の了解となっている部分も、日本語で読まれる方に伝える工夫を施されています。

いろんな時代に、いろんな方が、同じ原書を訳した本が出ていますが、
「谷口さんの訳された本が一番好きです」
と仰る方が多い理由のひとつが、この谷口さんの配慮なのかもしれません。

【Salone report】 2025.7.22 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

7月22日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、「アガーテ・フォン・トラップ わたしのサウンド・オブ・ミュージック」でした。

ブロードウェイでミュージカル舞台化され、その後映画化もされた「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ・ファミリーは実在する人々です。
ただし、舞台、そして映画では、実在するモデルから脚色が加えられています。

その舞台の原作となったのは、トラップ一家に家庭教師として派遣され、ゲオルグ・フォン・トラップと再婚するマリア・アウグスタ・クチェラが書いた小説です。

マリアがトラップ一家に家庭教師として派遣されたときには、ゲオルグと病死した最初の奥さん アガーテ・ホワイトヘッドとの間に生まれた7人の子供がいました。

マリアが書いた「サウンド・オブ・ミュージック」は、当然のことながら、マリアが派遣されたとき以降のトラップ一家の物語です。

マリアが派遣されたときに既にいた7人の2番目の子どもで長女のアガーテ・フォン・トラップが、晩年、アガーテさんが90歳の時に出版した「サウンド・オブ・ミュージック」の小説では、アガーテの実の母であるアガーテ・ホワイトヘッドが存命の頃の話も書かれています。

アガーテ・フォン・トラップさんも含めたトラップ・ファミリーは、舞台「サウンド・オブ・ミュージック」を観たとき、正直、ショックを受けたそうです。
それは、脚色によって、あまりにも事実と違う部分が多かったから、です。

しかし、多くの方が舞台「サウンド・オブ・ミュージック」に感動し、心動かされた、と舞台のすばらしさを褒めてくれる人の声に触れることで、アガーテ・フォン・トラップさんも舞台版「サウンド・オブ・ミュージック」を受け入れることができるようになったそうです。

谷口さんは、アガーテ・フォン・トラップさんが書いた版の本をもとに、舞台の脚色とは違う“本当の”トラップ・ファミリーの話をいろいろと紹介くださいました。

また、残念ながら、マリアが亡くなった後で知ったトラップ・ファミリーが経営するロッジを実際に訪ねた時の谷口さんのプライベートな写真とともに、実際にお話をすることで得られたアガーテ・フォン・トラップさんをはじめとするトラップ・ファミリーの私的なお話も紹介くださいました。

【Salone report】 2025.4.22 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

4月22日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、「L・M・モンゴメリ 『赤毛のアン』から『パットの夢』へ」でした。

今年からアニメーションの新作も放映になる「赤毛のアン」。
その作者、L・M・モンゴメリは昨年が生誕150年でした。

谷口さんは「赤毛のアン」シリーズも含めて、モンゴメリ作品の翻訳をされているので、「赤毛のアン」以外の作品にスポットを当てて、お話しくださいました。

2月に紹介くださった、谷口さんが訳された“大人向けのモンゴメリ作品”、「青い城」と「もつれた蜘蛛の巣」に続いて、今回は、「銀の森のパット」と「パットの夢」のシリーズについてお話しくださいました。

モンゴメリ作品の翻訳において外せない村岡 花子さんは、当然、パットシリーズも訳されていらっしゃるのですが、なぜか、2作目となる「パットの夢」に当たる作品から「パットお嬢さん」として訳されました。

その理由について、そうなった事情を、谷口さんが教えてくださいました。


谷口さんは、原作の順番どおりに、「銀の森のパット」そして「パットの夢」と訳されています。

今回は、作品の章の内容を追って、その魅力をお伝えくださいました。
銀の森のパット」と「パットの夢」は、プリンスエドワード島が舞台のお話。
赤毛のアン」のアン同様、パットも自分のお気に入りの家の近くの自然に、ステキなネーミングをしています。

そして、パットもアン同様、カッとなるととんでもない行動に出てしまいます。
それは、作者モンゴメリーも同様なのだと、谷口さんが教えてくださいました。

アンシリーズ同様に、パットシリーズも、その情景が目に浮かぶようなモンゴメリーの詩的な表現が随所にあるので、とても訳しやすかった作品とのこと。

とはいえ、アイルランド訛りのお手伝いさんが居たりと、翻訳家ならではの悩みの種もあります。
アイルランド出身のお手伝いさんは、とても魅力的な人物で、主人公だけでなく脇役のひとりひとりにも大切なキャラを付けるのはモンゴメリーらしい、と谷口さんは仰います。
そんなステキなキャラが活きるように、谷口さんが工夫されたアイルランド出身のお手伝いさんのセリフは、どうぞ、翻訳本をご覧になって感じてください。

パットが作品の中で、とても仲良くなるエリザベスは「赤毛のアン」のアンとダイアナのような関係を築きます。そして、その親密な仲になる時の様子は、「青い城」にも似たシーンが描かれています。

そして、パットの周りには何人かの男性が登場し、「最終的にはどうなるんだろう?」と読者はヤキモキする展開が続くのですが・・・、読者の期待を裏切らないエンディングを描くのもまた、モンゴメリー作品のすばらしいところだと、谷口さんは仰います。

モンゴメリーらしさに溢れたパットシリーズの魅力を、モデルになった家や風景の写真も交えて、たっぷりと紹介くださいました。
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