8月27日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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新しいお店に移転してからは初めての開催。
レイアウトが変わりまして、より多くの方に愉しんでいただけるようになりました。

今回のテーマは「“大草原のローラ”の翻訳こぼれ話」でした。

2017年に“大草原のローラ”シリーズの原典である「Pioneer Girl」を訳された谷口さん。
谷口さんが「大草原のローラ」シリーズと最初に出会ったのは小学校5年生の時におばさまからのいただいたプレゼント、だったそうです。
今まで谷口さんが好きで読んでいた「若草物語」などとは全く違った「少女 ローラ」との出会いに衝撃を受けた谷口さんは、そこからローラの他のシリーズを読まれたそうです。

盆地の甲府で生まれ育った谷口さんには、“見渡す限りの大草原”というのが想像がつかなかった、と聞けばなるほど、ですが、そこが翻訳本のひとつの魅力であり、ジレンマでもあるのですね。

時を経て。
大学生になった谷口さんは交換留学生としてアメリカで過ごします。その場所がなんと“キャンザス”!
その当時、谷口さんはキャンザスにローラが過ごした家があることはご存知無かったそうです。
ですが、通っていた大学には日本ではまだ読んだことのない“大草原のローラ”シリーズの原書がずらり、揃っていました。また時を同じくして、アメリカでは後に日本でも放映されて大人気となるTVドラマ「大草原の小さな家」が放映されていたそうです。
その時に、「原書とドラマは別物で、でもそれぞれに魅力があるな」と思われたそうです。
また、まだ日本語に翻訳されていない原書があることを知った谷口さんは、まだ未訳の原書を「訳したい!」と思ったそうです。
またこの時に、後につながる方とのご縁も育まれたそうです。

そして就職をされた谷口さんは、指揮者カラヤン本人との数奇なめぐり合わせをすることで、ヨーロッパへの招待のチャンスを得、それを機にアメリカの西部開拓の主たる場所を巡る旅をします。

1ヶ月に渡る長い旅行を機に退職された谷口さんは、そこからローラシリーズの訳の仕事と出会い、さらにはアメリカで各地を回った経験とつながったご縁が元でグラフィック・ブックス「大草原の小さな家 ー ローラのふるさとを訪ねて」の出版に至ります。(この本の出版を機に“リトルハウスクラブ”も発足したそうです)

おばさまからいただいた1冊の本がきっかけで始まった翻訳家 谷口 由美子さんの物語は、さながら本家ローラのように、翻訳家の「パイオニア・ガール」の物語です。
そしてその旅はまだまだ続いていくのです♪