本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「バーデン地方」です。

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バーデン地方は、ドイツの13のワイン生産地の中で最南端に位置し、北はハイデルベルグから南はボーデン湖までライン河沿いに南北約400kmに渡って細長く続くワイン生産地です。葡萄畑は約15,800haで、その規模はドイツで3番目。
生産地を分割する9つのベライヒは、景観的にも気候的にもかなりの差があるため、さまざまなタイプのワインが生産されています。
ドイツで最も温暖な地域で、栽培されている葡萄品種からもそれがわかります。

バーデン地方は年間日照時間が1,700時間以上、年間平均気温が11度あり、ドイツの13のワイン生産地域の中では最も太陽に恵まれた、最も暖かい地域です。
そのためバーデン地方は、欧州連合が定めたワイン生産地気象区分において、ドイツで唯一Bゾーン(フランスのアルザス、サヴォワ、ロワール等と同じ)、つまり平均的に暖かい栽培地に分類されています。

またバーデン地方は「ブルグンダーの国」と言われます。「ドイツワイン=白」の常識を覆す、ピノ・ノワールの名醸地なのです。
 
ベル・エポックの頃のバーデン・バーデンは、富豪や美女が集まる、ヨーロッパの夏の首都でした。今日では、高度な医療を提供する、温泉・文化都市として世界的に有名です。 バーデン・バーデンは、華やかなフェスティバルと他の追随を許さないエレガンスにより、特権や格式、贅沢なライフスタイルの代名詞になっています。 

そのローマ時代からの温泉地バーデン・バーデンを北端に、ライン河をはさみ、フランス・アルザス地方のストラスプールに対面し、南はオッフェンブルクにまで広がるべライヒ「オルタナウ」にあるワイナリー、ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデンを今回は取り上げました。
 
ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデンはバーデン大公国の君主として、20世紀初頭までの約900年間に亘りバーデンの地を統治してきたロイヤル・ファミリーで、英国王室、スペイン王室、ギリシャ王族、モナコ公国などヨーロッパの王族と姻戚関係にあり、君主としての役割を終えた現在でも人々に尊敬の念とともに、大変愛されているファミリーが所有するワイナリーです。
現在は所有する城の一部を大学として開放する一方、3つの城でそれぞれのテロワールを活かしたワイン造りを行っています。

マルク・グラフ・フォン・バーデンでは、葡萄の成熟を最高の状態にして凝縮感を高めるために全ての葡萄の房を早い段階で半分に切ってしまう、という驚くべき作業を行っています。
収量は下がりますが、品質のためにはこうした大胆な作業も厭いません。


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 
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