U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

ワイン

【Salone Report】 Wine Lovers Club 2025.4.18

4月18日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2025年2月から「南アフリカ」のワインを取り上げています。

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南アフリカ共和国は、インド洋と大西洋にはさまれたアフリカ大陸の最南端に位置します。
南アフリカ共和国はサバンナのイメージがありますが、サバンナはもちろん、南アフリカ共和国には山岳地帯や半砂漠地帯、低木地や草原、熱帯気候に地中海性気候・・・場所によってさまざまな表情がある産地です。

 南アフリカ共和国の葡萄栽培地域は南緯34度を中心に位置しています。これはチリ、アルゼンチン、オーストラリアなどのワイン産地と同緯度。穏やかな地中海性気候、豊富な日照時間、降水量500~800mm、海からの冷たいそよ風。葡萄栽培に適したすべてがここにあるといわれるほどです。さらに地域ごとに微小気候(マイクロ・クライメット)とヴァラエティーに富んだ土壌(テロワール)が存在するため、それぞれの地区で個性豊かな南アフリカのワインが生み出されています。

今回は、南アフリカ共和国のコースタル・リージョンの「ウォーカーベイ」のワインをテイスティングしました。

ウォーカーベイマップ

ウォーカーベイ」、ケープタウンから南に95km下った沿岸に位置し、ホエール・ウォッチングで有名な「ヘルマナス」という街を中心に広がる冷涼な産地です。街の北側にある「天国に近い場所」を意味する「ヘメル・アン・アード」は、新興の産地ながら非常に上品で高品質なブルゴーニュ品種のワインを生み出す、ブルゴーニュ好きならば絶対に抑えておかなければならないエリアです。

この地のブドウ栽培の歴史は1975年まで遡ります。もともと広告マンだった、ブルゴーニュ愛好家であるティム・ハミルトン・ラッセルはリタイア後にホエール・ウォッチングで有名な町ヘルマナスの北にあるヘメル・アン・アード・バレーにピノ・ノワールとシャルドネを植えました。これがこの地のブドウ栽培の始まりです。その後他の生産者がこれに続いたのは1989年頃からとされています。
現在、ウォーカーベイにはHamilton Russelを筆頭に素晴らしいワイナリーたちが軒を連ねている。

この地のパイオニアのハミルトン・ラッセルでもまだ設立50年に満たない程度と、まだまだ歴史の浅い産地で、各ワイナリーが設備投資の回収が終わっていないこともあって、ワインの価格は総じて高く、手頃なワインの少ない地域です。
しかし、他の地域にはまねできない品質のピノ・ノワールとシャルドネを生み出す地区です。

土壌はシェールや砂岩、花崗岩が見られ、特にヘメル・アン・アードでは粘土の割合が高くなっています。粘土の割合は最大で55%になりますがこれはブルゴーニュと似ていて、適度な排水性が有りながらも保水性を兼ね備えています。

南アフリカで最もブルゴーニュらしいワインは?と聞かれればウォーカーベイの生産者の名を真っ先に挙げられるほどピノ・ノワールとシャルドネは洗練されたエレガントな味わいを持っています。

世界中のワインを自由に楽しめる現代においては、カリフォルニアやオーストラリア、ニュージランドといったニューワールドでもブルゴーニュスタイルのワインを探すことは可能ですが、それでも南アフリカのウォーカーベイのワインは、それらの産地よりもはるかに冷涼で、味わいに緊張感がみなぎっていると言われます。
南アフリカにおいても、ヘメル・アン・アードの冷涼な気候でつくられるピノ・ノワールは唯一無二で、そしてそれは、世界的に見てもブルゴーニュ以外の優良なピノ・ノワールとして認められつつあります。


今回は、「ウォーカーベイ」において比較的リーズナブルで高品質なワイン生産者と知られるワイナリーのワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2025.3.21

3月21日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2025年2月から「南アフリカ」のワインを取り上げています。

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南アフリカ共和国は、インド洋と大西洋にはさまれたアフリカ大陸の最南端に位置します。
南アフリカ共和国はサバンナのイメージがありますが、サバンナはもちろん、南アフリカ共和国には山岳地帯や半砂漠地帯、低木地や草原、熱帯気候に地中海性気候・・・場所によってさまざまな表情がある産地です。

 南アフリカ共和国の葡萄栽培地域は南緯34度を中心に位置しています。これはチリ、アルゼンチン、オーストラリアなどのワイン産地と同緯度。穏やかな地中海性気候、豊富な日照時間、降水量500~800mm、海からの冷たいそよ風。葡萄栽培に適したすべてがここにあるといわれるほどです。さらに地域ごとに微小気候(マイクロ・クライメット)とヴァラエティーに富んだ土壌(テロワール)が存在するため、それぞれの地区で個性豊かな南アフリカのワインが生み出されています。

今回は、南アフリカ共和国のコースタル・リージョンの「スワートランド」のワインをテイスティングしました。

スワートランド」は南アフリカにある広大なワイン産地で、ステレンボッシュの北西側に広がり、州都ケープタウンから65km北に位置しています。リージョンは「コースタル・リージョン」に属します。

オランダ語で「黒い土地」を意味するスワートランドは、雨後に黒くなる南アフリカ固有の植物にちなんで名付けられたといいます。元々この地は麦の生産地でしたが、1990年代後半から人の手を介さないワイン造りをする生産者たちが注目し、スワートランドの人気に火がつきました。

注目するに至った理由のひとつには、乾燥した気候に合うブドウ品種がもともと植えられていて、かつそれらのほとんどが高樹齢だったことが挙げられます。現在では南アフリカ屈指のワイン産地となっていて、低収量&高樹齢のシュナン・ブランとシラーが産地を代表する品種となっています。シラーはしばしばグルナッシュやムールヴェードルとブレンドされ南ローヌスタイルのワインとなります。

スワートランドでは、この地域らしいワインを表現していこうとするSwartland Independent Producers(SIP)が組織されています。最近では、大変評価の高い赤・白ワインが生産されています。また、トップクラスのポート・スタイルのワインも引き続き生産されています。地域の特性を生かしたワインは高級志向です。

品種的には、ピノタージュ、シラーズ、カベルネソーヴィニョン、シャルドネ、シュナン・ブラン、ソーヴィニョンブランなどの品種が増加傾向にあります。

他の地区に比べ樹齢が高い樹が多く、無灌漑(水やりをしない)のブッシュヴァインでの栽培が盛んです。特にローヌ品種に注目が集まっており、国際品種主体のステレンボッシュとは差別化がされています。

暑い環境ではあるもののブドウを早めに摘んでアルコールを抑える傾向にあり、むしろステレンボッシュのワインよりもスマートな味わいを目指す生産者が多いと感じます。
シュナン・ブランにおいてもその違いが顕著で、酸とミネラルを大事にして樽香を抑えたつくりのものが主流。ステレンボッシュと比べると通好みの味といえます。


今回は、「スワートランド」においてリーズナブルで高品質なワイン生産者と知られるワイナリーのワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2025.2.21

2月21日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2025年2月から「南アフリカ」のワインを取り上げます。

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南アフリカ共和国は、インド洋と大西洋にはさまれたアフリカ大陸の最南端に位置します。
南アフリカ共和国はサバンナのイメージがありますが、サバンナはもちろん、南アフリカ共和国には山岳地帯や半砂漠地帯、低木地や草原、熱帯気候に地中海性気候・・・場所によってさまざまな表情がある産地です。

 南アフリカ共和国の葡萄栽培地域は南緯34度を中心に位置しています。これはチリ、アルゼンチン、オーストラリアなどのワイン産地と同緯度。穏やかな地中海性気候、豊富な日照時間、降水量500~800mm、海からの冷たいそよ風。葡萄栽培に適したすべてがここにあるといわれるほどです。さらに地域ごとに微小気候(マイクロ・クライメット)とヴァラエティーに富んだ土壌(テロワール)が存在するため、それぞれの地区で個性豊かな南アフリカのワインが生み出されています。

南アフリカの国土の大部分は、日照時間が長く温暖です。その中でも特にワイン産業の中心である西ケープ州は、大西洋とインド洋の二つの大洋に挟まれ、夏は温暖で乾燥、冬は冷涼で降雨があるという地中海性気候を示し、ブドウ栽培に最適な気候の下にあります。海岸沿いで発生する霧がブドウ畑の直射日光を和らげ、南極からの冷たいベンゲラ海流の上を通ってくる冷涼な海風(ケープ・ドクターと呼ばれる風)が畑の温度を涼しく保ってくれるのです。

また、恵まれているのがケープ地方の土壌です。ここの土地は、10億年以上も前に遡ると言われる世界で最も古い土とされており、多様性に富んでいます。
(フランスのシャブリでも土壌は約1億8000年前。また、ヒマラヤ山脈の歴史よりも10倍古いのだそうです。10億年前というと、生物が生まれるか生まれていないか、くらいの時代だそうです。)

南アフリカワインの特徴の一つは「環境と調和したワイン生産」です。

1998年に制定されたIPW(Integrated Production of Wine)は世界で最も厳しいワイン生産のガイドラインです。自然環境の保護とワイン生産者が長く永続的にブドウ栽培が出来ること、この2つを両立させることが目的です。

さらに驚くことは、2004年世界自然遺産に登録された『ケープ植物区保護地域群』の中に葡萄畑が広がっているという事実です。

南アフリカは「花の楽園」と呼ばれるほど、全土に約22,000種もの多種多様な花や植物があり、ブドウ栽培が広がるケープ州には、世界自然遺産に指定された90,000平方キロメートルにも及ぶ広大なケープ植物区保護地域群があります。ここだけでも9600種の花と植物がある世界で最も密集した植物区で、驚くべきことに、そのうちの70%は他の地域で見られない固有種とされています。

そして、ケープ地方のワイン産地の95%がこの保護区内にあります。つまり、この豊かな植生を守っていくことが南アフリカのワイン生産者の使命であり、その為農薬を減らし、自然環境を保護しながらブドウ栽培やワイン生産を行っています。

南アフリカワインの特徴のもうひとつが「ワイナリー就労者の労働条件の向上」です。

1990年代前半にアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されてから南アフリカ・ワインは急激に発展を遂げています。ワインの生産量は劇的に増え、輸出量はアパルトヘイト時代に比べ20倍になりました。

しかし黒人の貧困問題は未だ続いています。2002年にはワイン業界での労働者の待遇と労働環境を監督する組織として、ワイン産業倫理貿易協会(WIETA:Wine Industry Ethical Trade Association)が設立され、葡萄畑とワイナリーでの労働環境の改善、児童労働の禁止などの基準が設けられました。
また、2003年には、黒人の経済活動、雇用条件の改善を目的とした黒人権利拡大政策(BEE)が実施。

更に2012年には、「ワイン&スピリッツ常任委員会(WSB)」と、「南アフリカ・ワイン協会(WOSA)」が協力して、これまでのワイン法、自然環境の保護に、労働環境の改善も加えた新しい協定が結ばれました。

このような環境保護や労働環境の改善などの制度に後押しされたことも背景にあり、南アフリカには、ワインの販売を通してより積極的に、人々の生活環境や自然保護、教育支援などに取り組む社会貢献的なワインが沢山あります。

このように南アフリカは、自然環境の保護とワイン産業の発展の両立、さらにワイナリー就労者の労働環境の改善に取り組んでいる、まさに応援したくなるワインなのです。


今回は、2012年ロンドンオリンピックオフィシャルワインにも採用されたワイナリーの手掛ける、南アフリカの特徴的な品種を使ったのワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2025.1.19

1月19日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2024年9月からは「オーストラリア」のワインを取り上げています。

オーストラリアは、新興国の中でも、チリと共にワイン産業を盛り上げているワイン国。
世界一大きな島であり、また世界一小さな大陸であり、世界で6番目に広いと言われる国土はヨーロッパ全体のおおよそ7割にも匹敵し、その広さゆえ地域によって気候風土に特徴が異なります。
ワイン産地は、シラーズの銘醸地として最も有名なバロッサ・ヴァレーを始めとして、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで3,000km超にわたって点在しています。
また、近年は世界的なトレンドや地球温暖化による影響から、タスマニアやヤラ・ヴァレーをはじめとした冷涼産地(クール・クライメイト)にも注目が集まっており、異なるテロワールを持つ各産地から、多様性豊かなワインが生み出されています。
そんなオーストラリアでは、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネといった多彩なブドウ品種が栽培されており、その生産量と質の両方において重要な役割を果たしています。


オーストラリア」のワインの5回目は「ニュー・サウス・ウェールズ州のワイン」を取り上げました。

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ニュー・サウス・ウェールズ州は、オーストラリア南東部に位置し、国内最大の都市シドニーがある地域です。ニュー・サウス・ウェールズ州は、オーストラリアで最初にヨーロッパの植民地となった地で、ブドウの木が最初に植えられたのもこの州です。

同州における一大産地であり歴史もあるハンター・ヴァレーがワイン産業の中心地で、赤ワインは樹齢平均60~100年の黒葡萄シラーズ、白ワインは長期熟成に耐え国内最高峰の品質を生み出すセミヨンが、辛口から極甘口まで多様なスタイルで産出されています。また近年は質の高い葡萄が育つオレンジ、カウラ、ヒルトップスなどの地区に注目が集まっています。
多様な土壌と気候が存在し、南部の高地ではピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブラン、平地や温暖な地ではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、シャルドネなどの品種から個性溢れるワインが造られています。

オーストラリアワイン産業はシドニーにブドウ栽培が広がった事に始まります。
1791年に最初の植え付けに成功してから、ブドウ園はニュー・サウス・ウェールズ州の美しい場所で花開き、世界中からワイン愛好家が訪れています。ワインテイスティングはニュー・サウス・ウェールズ州を訪れる人に最も人気のアトラクションのひとつとなっています。
企画ツアーや自分で車を運転して、ワイン生産地へは簡単にアクセスできます。食とワインの道をたどり、農場の入り口やファーマーズ・マーケットで販売される新鮮な農産物を楽しむ。宿泊施設の幅広い選択肢があり、質の高いカフェやレストランも多くあります。
ニュー・サウス・ウエールズ州の生産量はオーストラリアワイン全体のおよそ30%を占めています。生産量は多いですが比較的手頃なテーブル・ワインの他、遅摘みや貴腐ブドウから作る甘口ワインの生産も盛んです。
ニュー・サウス・ウエールズ州は、北はヘイスティングス・リヴァーから南はタンバランバ、西はリヴァリーナまで及び、良質のワインから酒精強化ワインを含む濃厚な味わいのデザートワインまでの生産に、最適な気候に恵まれています。

オーストラリア大陸の東岸に位置するこの州は多様な気候に恵まれています。
シドニーの南方にあるショールへイヴン・コースト産地は海岸気候を活かしている一方、オーストラリア大分水嶺の頂上付近にあるアルパイン産地では海抜500メートル以上の地でブドウが栽培されています。
大分水嶺西側の内陸部を流れるマランビジー河やマレー河沿いには、温暖なリヴァリーナ産地やペリクータ産地、ならびにスワン・ヒル産地やマレー・ダーリング産地の北部が広がっています。


今回は、ニュー・サウス・ウェールズの55%の生産量を誇るエリアでブドウ栽培とワインの生産を行っているエリアのワイナリーのワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2024.12.20

12月20日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2024年9月からは「オーストラリア」のワインを取り上げています。

オーストラリアは、新興国の中でも、チリと共にワイン産業を盛り上げているワイン国。
世界一大きな島であり、また世界一小さな大陸であり、世界で6番目に広いと言われる国土はヨーロッパ全体のおおよそ7割にも匹敵し、その広さゆえ地域によって気候風土に特徴が異なります。
ワイン産地は、シラーズの銘醸地として最も有名なバロッサ・ヴァレーを始めとして、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで3,000km超にわたって点在しています。
また、近年は世界的なトレンドや地球温暖化による影響から、タスマニアやヤラ・ヴァレーをはじめとした冷涼産地(クール・クライメイト)にも注目が集まっており、異なるテロワールを持つ各産地から、多様性豊かなワインが生み出されています。
そんなオーストラリアでは、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネといった多彩なブドウ品種が栽培されており、その生産量と質の両方において重要な役割を果たしています。


オーストラリア」のワインの3回目は「タスマニア州のワイン」を取り上げました。

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海に囲まれた最南端のタスマニア州は、オーストラリア本土から約250km離れた場所にある島で、一つの州として認められています。北海道とほぼ同じ緯度に位置し、北海道よりひと回り小さな島です。面積の約4割が「自然保護区」に指定されていて、自然豊かな希少動物の生息地として知られています。また近年は高品質なワインの産地としても注目されています。

ブドウ栽培面積は約1700haで、オーストラリア全体の生産量のわずか1%にも満たないですが、プレミアムなワインの生産地として注目されています。

タスマニアは特に高品質なスパークリングワインで知られていますが、実は生産量の2/3はスティルワインが占めています。

タスマニア州は人が住める環境下で、「世界一 水と空気の美しい場所」と言われています。タスマニア島の西側は遥か彼方アフリカ大陸に至るまで海が続きます。南側は南極大陸で、公害や大気汚染とは一切無縁の島なのです。空気が澄んでいるため遠方の緑や景色が色濃く見え、雨水は日本の浄水よりも綺麗でそのまま飲用されるほどです。

タスマニア全体のワイナリー(ブドウ畑)の数は約230にものぼり、それぞれで独自のワイン造りが行われています。
 
タスマニアはピノ・ノワールシャルドネが最もメジャーな品種で、ソーヴィニヨン・ブランやリースリング、ピノ・グリなども年々増えてきています。
黒ブドウ品種ではカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランにメルローなどが見られ、オーストラリア本土と違う点として、タスマニアではシラーズはあまり栽培されていません


タスマニアのワイン産業の始まりは、1950年代にブドウを植えたのが最初です。比較的早く葡萄園が開かれたタスマニアですが、「タスマニアの気候はワインには寒すぎる、葡萄栽培適した土地ではない」という見解が当時の多くの人々の結論でした。
しかし、1980年代から一気にビンテージの設立が急増しました。きっかけは、シドニー大学にて葡萄生理学を研究していたアンドリュー博士の論述から全てが再スタートされたのです。
1972年、アンドリュー・ビリーは、北部のパイパーズ・ブルック地区が繊細なヨーロッパ・スタイルのワインに適するという研究により、オーストラリアで初めて栽培学でPhDを修得しました。このタスマニアの地こそ、フランスのシャンパーニュ地方やラインガウ地方やボルドー地方に匹敵する寒冷な気候を持ち、高品質の品種が生産できる要素を持っていました。
タスマニアの地理は人が思う以上に、ワイン製造にとっては変化に富んだ地域です。

その後タスマニアは、おもにスパークリングワインのベースとなるベースワイン用のブドウの産地として知られるようになりました。また近年では、タスマニアで造られた質の高いスティルワイン(赤・白・ロゼ)も人気となっています。

今回は、タスマニアのワインのみならず、タスマニア産業を作り上げた「タスマニアの父」と呼ばれる方のワイナリーのワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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