U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

ルイザ・メイ・オルコット

【Salone report】 2024.10.22 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

10月22日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

241022001

今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、「ルイザ・メイ・オルコットの作品世界」でした。

ルイザ・メイ・オルコットと言えば「若草物語
と連想される方も大勢いらっしゃると思いますように、「若草物語」はルイザ・メイ・オルコットの代表作であることは間違いありませんし、「若草物語」を抜きにルイザ・メイ・オルコットを語ることはできないと思います。

ですが谷口さんの茶論トークでも、ルイザ・メイ・オルコットのいろんな作品を紹介してきたように、「若草物語」以外にもルイザ・メイ・オルコットのすばらしい作品があります。
今回は、そんなルイザ・メイ・オルコットの「若草物語」以外の作品にもスポットを当てての茶論トークでした。

ルイザ・メイ・オルコットは、17歳の時に文学作品を出しているように、「若草物語」の前からもさまざまな作品を執筆していました。
その作品は、「若草物語」の中で、ベア先生が「そのような作品を書いてはいけない」と苦言を呈したような作品が多かったそうです。

そんなルイザ・メイ・オルコットの最初のヒット作が「病院のスケッチ」という、ルイザが南北戦争の傷病者の手当のお手伝いをした実際の経験をまとめた作品だったそうです。
このことから、ルイザは「リアルなことが人の心を打つ」ことに気づかせました。

そして、この傷病人を手当てした経験が、ルイザに1回目のヨーロッパ旅行の付添人のチャンスをもたらします。
そして、この1回目のヨーロッパ旅行と自身の4姉妹の話から「若草物語」の1巻目が生まれます。

若草物語」の1巻目が生まれた1868年、白人のアメリカ人の関心ごとは、自分たちのルーツである「ヨーロッパに行くこと」でした。
その中でも憧れの地とされたのが“フランス”だったそうです。

この「白人アメリカ人のフランスへの憧れ」をギュッと作品に込めたのが、谷口さんが訳された「8人のいとこ」シリーズです。

また、谷口さんの新刊「「若草物語」ルイザのヨーロッパ旅物語」のように、自身のヨーロッパ旅行を元にした作品も既知のとおりです。


また、それ以外にも、谷口さん以外の方が訳された、ルイザ、そして若草物語のマーチ一家を題材にした興味深い作品もたくさん紹介くださいました。


そして、茶論トークでは、現在テレビドラマとして放映されている「若草物語」をベースにした翻案ドラマのお話も語られました。

【Salone report】 2024.7.16 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

7月16日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

240716001

今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、出版されたばかりの「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」でした。

ルイザは2回、ヨーロッパを旅していて、それぞれ旅を元にした作品を残しています。

時系列としては、ルイザの最初のヨーロッパ旅行は貿易商のお嬢さんの付き添いとして。
その時に、スイスのレマン湖にて、ルイザはポーランド青年とステキな時間を過ごします。

二回目のヨーロッパ旅行は、「若草物語」の1冊目と2冊目を出版した後で、妹のメイの友人と3人で旅行しています。つまり、二回目の時は自分の収入で、しかも有名人となって旅行しています。

今回谷口さんが手掛けられた「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」では、一度目の旅行の作品と二度目の旅行の作品、それ以外にも、ポーランド青年とのことを綴った小作品などを一緒に収められています。

ルイザは、一度目のヨーロッパ旅行の作品は、ノンフィクションなスタイルで、二度目のヨーロッパ旅行はフィクションスタイルで書いています。その辺りの“事情”も、茶論トークでお話しくださいました。

谷口さんが「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」をまとめようと思われたきっかけは“パンデミック”の期間。
旅行も、人にも会うことも制限されていた時期に、兼ねてから思っていた“ルイザの旅行記の翻訳”を手掛けることにしたそうです。

今回の「『若草物語』のルイザのヨーロッパ旅物語」を世に出した谷口さんの想いは、ルイザが2回目のヨーロッパ旅行を元にしたノンフィクション作品の最後の章で書き記している言葉に重なるそうです。
その言葉とは
「みなさん(読者のこと)、旅に出なさい。」

今回は、オルコット一家が出てくるノンフィクション作品「ロッタの夢」も合わせて紹介くださいました。

【Salone report】 2023.10.17 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

10月17日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

231017001

今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は、出版予定の「ルイザのヨーロッパ旅物語」でした。

まずは、熊本で開催された「風トリオ」の活動の概要をお話しくださいました。

そして、「ルイザのヨーロッパ旅物語」のお話になりました。
谷口さんは「若草物語ールイザ・メイ・オルコットの世界」という写真集も出されているのですが、その中にはルイザがヨーロッパを旅した先をマッピングした地図を収録しています。

出版予定の「ルイザのヨーロッパ旅物語」では、写真集を出した後でわかった新情報を反映した旅の地図が収められているそうです。

ルイザは2回、ヨーロッパを旅していて、それぞれ旅を元にした作品を残しています。
谷口さんが訳された「ルイザのヨーロッパ旅物語」では、一度目の旅行で出会ったロマンスのお相手の話、そして二度目の旅行を“ルイザが友達に聞いた話”として書いた作品を完訳で収録しているそうです。

また、ルイザ関係で、愉しみな動きも進んでいるそうです。
そちらも、今後の展開が愉しみです。

【Salone report】 2021.2.16 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

2月16日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

210216001

今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は「8人のいとこ②」でした。

「若草物語」で日本でも有名なルイザ.メイ.オルコットの作品「8人のいとこ」の青い鳥文庫版の茶論トークをしてくださったのが、2020年の2月18日。
その時にも話題に出ていた続編が同じ青い鳥文庫から出版された、そのお話でした。

もともと男の子の話を書きたかったオルコットらしい作品が、「8人のいとこ」。
主人公はである13歳の女の子ローズは、両親を失ったことでローズの父の弟でステキなおじさまアレックに引き取られます。そこには男の子ばかり7人のいとこがいて・・・。

1では、ローズとアレックスおじさん、そしてメイドのフィービがヨーロッパに渡航していろいろと経験をするところで終わっています。
2では、ローズたちが帰郷してきてからのお話。ローズは20歳になっています。

これまでの翻訳本では「花ざかりのローズ」というタイトルで出版されていましたが、今回の谷口さん訳では続編であることを伝えるために「8人のいとこ②」とし、副題に「ローズの恋」と付けました。

今回の本に限らず、谷口さんは
翻訳本は、原作のある日本文学
とおっしゃいます。

原書は時代を経ても変わることがありませんが、それを訳した形で出される翻訳本は、「その時代の人に合った文学作品」となるように、いろんな工夫がなされます。

たとえば、大人になったローズのいとこたち7人の男性。
その当時の大人の男性たる身だしなみとして「ヒゲ」があるのですが、本のビジュアルでは表現していません。
原書の魅力を伝えつつも、日本語で読む方にもすんなりと読めて愉しいものであるために、タイトルから含めて、それはそれは本当にいろんな配慮や工夫がされているのです。


8人のいとこ②」では、10章の目次タイトルが、今までの訳本では「悲しい日々」となっていたのですが、今回の訳本で谷口さんは、その章の中でアレックスおじさんがローズに言ったステキな言葉から付けています。
それは・・・、ぜひ、お手に取って読んでみてくださいね♪


ちなみにこの11章のくだりは、その当時の女性の人生観に一石を投じるような展開となっています。
ここにもあるように、「8人のいとこ」シリーズでは、アレックスおじさんを通して、作者ルイザの思想も垣間見えます。

【Salone report】 2020.8.25 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

8月25日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

200825001

今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学のタイトルは「“オルコットがさらに楽しくなる本2冊”のお話です」として、オルコットに関するご本が紹介されました。

日本でも上映が解禁された新作映画「若草物語」。あたらしい映画では、作者ルイザ・メイ・オルコットと作中のジョーとがオーバーラップされるような作りとなっていました。その映画のセリフでは、オルコットを敬愛する物語作家 ノーマ・ジョンストンが書き、谷口さんが訳された「ルイザ ー若草物語を生きた人」でも取り上げられているオルコットの日記や手紙に残されている言葉も、映画のセリフとして使われているそうです。

そんなオルコットの代表作となっている「若草物語」。それ以外にも、ステキな物語がありますが、そのひとつ「8人のいとこ」の続編の出版が決まって、いま、谷口さんは出版者の方とその仕上げにかかっていらっしゃいます。その内容、そしてタイトルにまつわる話を、お伝えくださいました。

若草物語」、「8人のいとこ」に共通するのは、ヨーロッパの香りに満ちている児童文学であること。
それはオルコット自身が2度渡欧している経験があることもありますが、多くのアメリカ国民にとって、ヨーロッパは自身のルーツの国がある場所。いつか訪れてみたい場所ということもあって、ヨーロッパから移民してきたアメリカ国民の心を惹きつけるものである、とのことです。

そんなこれからの愉しみとなるオルコットの作品のほかに、谷口さんがご紹介くださったが“オルコットがさらに楽しくなる本”があります。

まずひとつめは、谷口さんが訳されたジェイン ラングトン著の「大空(そら)へ―ジョージーとガンの王子」 。
この本の作者は、オルコットが暮らした場所でもあるアメリカ文学史の聖地とも言える町マサチューセッツ州コンコードのほど近くに住んでいて、この作品もコンコードが物語の舞台となっています。その作品中には、オルコットのことを知っている人にはたまらないエピソードが織り込まれている、そんな作品です。

もうひとつは、こちらはまだ訳本が出ていない作品「Lotta's Progress」。
作者は「ルイザ ー若草物語を生きた人」を書いたノーマ・ジョンストン。
なんと、この作品中はルイザをはじめ、オルコット家族が実名で登場し、主人公のロッタと交流しているのです。
この作品が翻訳されて日本文学として読める日が訪れることを、ぜひ待望しましょう♪
アクセス&コンタクト
QRコード
QRコード