本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしていきます。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「ナーエ地方」です。

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ナーエ地方はモーゼル川とライン川の間に位置し、ラインヘッセンとモーゼルの両地域に東と西から挟まれた地域で、栽培総面積は4,000haと中規模のワイン産地です。
ナーエの中心地は古代ローマ人が築いた都・バート・クロイツナッハ。町並みに中世の面影を残すこの町は、ナーエ・ワインの集積地です。また、温泉保養地としても広く知られています。
ローマ人が入植し、ワインを栽培し始めた地域ですが、独自のワイン生産地に指定されたのは1971年のことでした。
呼称が存在したのは1930年代後半からですが、ナーエの葡萄栽培は中世前期からの長い歴史を持ちます。そしてその名が知られるようになるのは鉄道か引かれた20世紀に入ってからです。大戦後の最新の醸造技術や販売方法の改善が大きく知名度を上げました。ナーエのワインはドイツワインの魅力を凝縮しているとも言われ、多種多様なワインが造られるため「ドイツワインの試飲小部屋」とも呼ばれます。

この辺りは太古の時代に極端な地殻変動が起こったため、土壌が変化に富んでおり、同じ畑であっても100メートルごとに岩石の構成が全く異なるということが珍しくありません。ナーエ地方でも白ワインの生産量がほぼ8割を占め、やはりリースリングが主要品種。土壌の多彩さゆえに、その味わいも実に多彩です。

今回取り上げた生産者は、ヴァイングート・テッシュの10代目当主 マルティン・テッシュです。

ヴァイングート・テッシュの設立は1723年。以来、テッシュ一族により代々受け継がれてきた家族経営のワイナリーです。
300年近くの長い歴史を持つワイナリーですが、その趣きは1997年に10代目のオーナーとなったマルティン・テッシュ氏の登場により一変します。伝統を重んじるワイン造りをそのまま踏襲することなく、自身の感性に従って、畑のほとんどすべてをリースリングのみに縮小するなど、まさに“型破り”ともいえる方法で次々と新しい試みを実践していきます。その信念の核となっているのが、「辛口に特化したワイン造り」。
マルティン氏ほどリースリングで畑の特徴を徹底的に表現しようとする醸造家は、1990年代のドイツでは他に類を見ませんでした。 

今回は、それまでの「典型的なドイツリースリングワイン」の代表としてモーゼルのワインとともに、マルティン・テッシュ氏の手による2つの畑のリースリングワインをテイスティングしました。 

同じ品種とは思えないような、それぞれの個性。
リースリングの特徴である「酸」以外の味の要素はまさにテロワールの個性。
皆さん、それぞれにその特徴を捉えられていました。 


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 

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