U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

ドイツ

【Salone Report】 Wine Lovers Club 2018.6.15

本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「モーゼル地方」です。

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モーゼル地方は、ワインのラベルには、Mosel-Saar-Ruwerとも表記されます。
モーゼル河は全長550kmですが、ルクセンブルグとの国境沿いを流れ、コブレンツ市でラインに合流するまで蛇行に蛇行を繰り返し、延々と約245kmの旅をします。直線距離にすれば140km程度ですので、いかにその蛇行が大きいかが分かるかと思います。
 北に向かって流れるモーゼル河のこの大きな蛇行があちこちで東西に流れる部分をつくります。
 それによって、モーゼル河流域には真南を向く傾斜面が多く出現します
 モーゼル地方は、ドイツで最も古い産地として知られています。ローマ人が葡萄栽培の技術を大々的なかたちでモーゼル地方にもたらしたのです。モーゼル地方は伝統的なリースリング栽培地として高い名声を誇ります。特に高品質のリースリングは、国際的に評価が高く、同地方の名声を支えて来ました。モーゼル地方は、例えば、ヨーロッパで最も急な65度の勾配をもつ、ブレマー・カルモントのような、急斜面のぶどう畑で知られています。モーゼル地方は栽培総面積8,800haで、ドイツで5番目に大きなワイン生産地で、世界的にも急斜面の葡萄畑が最も多く分布している地域です。
 一般にモーゼルのワインの味は,ラインガウが「優雅な貴婦人」に例えられるのに対し、愛くるしい澄刺とした「山の娘」と言われ、一語で言うならば「冴えた酸味」、言い換えれば、歯切れの良い酸味の良さが特徴です。

モーゼル産のワインでよく知られたワインはいくつかありますが、その中でも日本でも知名度の高いものは「ピースポーター」ではないでしょうか?
ピースポーター」はピースポート村で作られるワインの名前です。
ピースポート村は、ローマ時代の葡萄圧搾機の遺跡もある2000年の歴史を持つ集落です。今回はゲブリューダー・シュテッフェンの「ピースポーター」を取り上げました。
また、1955年に新しく交配され誕生したばかりの品種ですが、すでにドイツの伝統品種なみの存在感がある、モーゼルでもよく栽培されている黒葡萄品種「ドルンフェルダー」 で造られた甘口の赤ワインも取り上げました。


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 
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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2018.5.18

本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「バーデン地方」です。

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バーデン地方は、ドイツの13のワイン生産地の中で最南端に位置し、北はハイデルベルグから南はボーデン湖までライン河沿いに南北約400kmに渡って細長く続くワイン生産地です。葡萄畑は約15,800haで、その規模はドイツで3番目。
生産地を分割する9つのベライヒは、景観的にも気候的にもかなりの差があるため、さまざまなタイプのワインが生産されています。
ドイツで最も温暖な地域で、栽培されている葡萄品種からもそれがわかります。

バーデン地方は年間日照時間が1,700時間以上、年間平均気温が11度あり、ドイツの13のワイン生産地域の中では最も太陽に恵まれた、最も暖かい地域です。
そのためバーデン地方は、欧州連合が定めたワイン生産地気象区分において、ドイツで唯一Bゾーン(フランスのアルザス、サヴォワ、ロワール等と同じ)、つまり平均的に暖かい栽培地に分類されています。

またバーデン地方は「ブルグンダーの国」と言われます。「ドイツワイン=白」の常識を覆す、ピノ・ノワールの名醸地なのです。
 
ベル・エポックの頃のバーデン・バーデンは、富豪や美女が集まる、ヨーロッパの夏の首都でした。今日では、高度な医療を提供する、温泉・文化都市として世界的に有名です。 バーデン・バーデンは、華やかなフェスティバルと他の追随を許さないエレガンスにより、特権や格式、贅沢なライフスタイルの代名詞になっています。 

そのローマ時代からの温泉地バーデン・バーデンを北端に、ライン河をはさみ、フランス・アルザス地方のストラスプールに対面し、南はオッフェンブルクにまで広がるべライヒ「オルタナウ」にあるワイナリー、ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデンを今回は取り上げました。
 
ヴァイングート・マルクグラフ・フォン・バーデンはバーデン大公国の君主として、20世紀初頭までの約900年間に亘りバーデンの地を統治してきたロイヤル・ファミリーで、英国王室、スペイン王室、ギリシャ王族、モナコ公国などヨーロッパの王族と姻戚関係にあり、君主としての役割を終えた現在でも人々に尊敬の念とともに、大変愛されているファミリーが所有するワイナリーです。
現在は所有する城の一部を大学として開放する一方、3つの城でそれぞれのテロワールを活かしたワイン造りを行っています。

マルク・グラフ・フォン・バーデンでは、葡萄の成熟を最高の状態にして凝縮感を高めるために全ての葡萄の房を早い段階で半分に切ってしまう、という驚くべき作業を行っています。
収量は下がりますが、品質のためにはこうした大胆な作業も厭いません。


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 
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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2018.4.20

本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「ラインガウ地方」です。

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ラインガウは、大河ラインが、マインツあたりにさしかかるころ、急に西に直角に方向転換する、その北岸、真南に向いたタウヌス山腹の一面にあります。従って、ライン河に沿う約40kmに渡るその葡萄畑は総て真南に向いています。 
ライン河はこの地域でその河幅を一層広め、最大1.2kmに達する所もあり、この大河の恵みを十二分に受けます。また、背後のタウヌス(Taunus)山系によって荒々しい北風からも守られ、まれにみる好条件の葡萄畑が生み出され、昔から大銘醸ワインの数々を世に送り出して来ました。ドイツにおける最も高級な歴史的ワイン産地がラインガウです。

ラインガウ地方は、全生産地のうちでリースリングの栽培比率が最も高い地域で、ほぼ90%を占めるほか、輸出率が高い地域でもあります。酸味が豊かな辛口あるいは中辛口のリースリング、ふくよかなシュペートブルグンダーの産地として知られています。土壌の地質学的条件やライン川流域の理想的な気候条件は葡萄の生育に最適で、夏場にも充分な湿度が保たれています。
カール大帝が、対岸のインゲルハイムの王宮から、ラインガウを見やり、その雪解けの早さから、その暖かさを知り、葡萄栽培を奨励したと言う逸話は良く知られています。


今回取り上げた生産者は、2つ。

ひとつは英国のヴィクトリア女王が自らの名前を与えた銘醸畑ホッホハイマーを擁するドイツ最高レベル、かつ入手困難な蔵、「ヴァイングート・ヨアヒム・フリック」です。

ドイツワイン、特にドイツのリースリングのことをイギリスでホックと呼ぶのは、この銘醸畑「ホッホハイマー」に由来します。王室の紋章がワインのラベルに使われることなど無いことですが、ヴィクトリア女王がこの地を訪れ感動したことから、女王の名にちなんで畑を「ケーニギン(女王)・ヴィクトリアベルク」と名づける許可を得、大英帝国の紋章がラベルにデザインされるようになっています。そして1850年以来、ヴィクトリアベルクのワインは王室の式典でも愛用されています。 

もうひとつは12世紀以来一度として途切れることなくワイン醸造が営まれてきたラインガウの銘醸、「クロスター・エーバーバッハ醸造所」です。

エーバーバッハ修道院と醸造所から成るクロスター・エーバーバッハはもともと1135年創立のシトー派の修道院で、1803年に俗化した後は州立醸造所となり、1998年には財団法人となって醸造所も完全に独立運営されることになりました。
クロスター・エーバーバッハ醸造所が所有する畑の中でも修道僧たちによって開墾され、1230年代に完成されたとされるオルツタイルラーゲ「シュタインベルク」24ヘクタールは最も有名で、シトー派の修道士の故郷ブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョと様式を同じくする高い石の塀に囲まれた特別な区画です。 
また、ドイツ ピノ・ノワールの銘醸地として最も古く最も優良な土地として知られるアスマンズホイザー・ヘレンベルグを所有。ブルゴーニュに匹敵する美しいワインを産み出しています。 


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 
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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2018.3.16

本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしていきます。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「ナーエ地方」です。

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ナーエ地方はモーゼル川とライン川の間に位置し、ラインヘッセンとモーゼルの両地域に東と西から挟まれた地域で、栽培総面積は4,000haと中規模のワイン産地です。
ナーエの中心地は古代ローマ人が築いた都・バート・クロイツナッハ。町並みに中世の面影を残すこの町は、ナーエ・ワインの集積地です。また、温泉保養地としても広く知られています。
ローマ人が入植し、ワインを栽培し始めた地域ですが、独自のワイン生産地に指定されたのは1971年のことでした。
呼称が存在したのは1930年代後半からですが、ナーエの葡萄栽培は中世前期からの長い歴史を持ちます。そしてその名が知られるようになるのは鉄道か引かれた20世紀に入ってからです。大戦後の最新の醸造技術や販売方法の改善が大きく知名度を上げました。ナーエのワインはドイツワインの魅力を凝縮しているとも言われ、多種多様なワインが造られるため「ドイツワインの試飲小部屋」とも呼ばれます。

この辺りは太古の時代に極端な地殻変動が起こったため、土壌が変化に富んでおり、同じ畑であっても100メートルごとに岩石の構成が全く異なるということが珍しくありません。ナーエ地方でも白ワインの生産量がほぼ8割を占め、やはりリースリングが主要品種。土壌の多彩さゆえに、その味わいも実に多彩です。

今回取り上げた生産者は、ヴァイングート・テッシュの10代目当主 マルティン・テッシュです。

ヴァイングート・テッシュの設立は1723年。以来、テッシュ一族により代々受け継がれてきた家族経営のワイナリーです。
300年近くの長い歴史を持つワイナリーですが、その趣きは1997年に10代目のオーナーとなったマルティン・テッシュ氏の登場により一変します。伝統を重んじるワイン造りをそのまま踏襲することなく、自身の感性に従って、畑のほとんどすべてをリースリングのみに縮小するなど、まさに“型破り”ともいえる方法で次々と新しい試みを実践していきます。その信念の核となっているのが、「辛口に特化したワイン造り」。
マルティン氏ほどリースリングで畑の特徴を徹底的に表現しようとする醸造家は、1990年代のドイツでは他に類を見ませんでした。 

今回は、それまでの「典型的なドイツリースリングワイン」の代表としてモーゼルのワインとともに、マルティン・テッシュ氏の手による2つの畑のリースリングワインをテイスティングしました。 

同じ品種とは思えないような、それぞれの個性。
リースリングの特徴である「酸」以外の味の要素はまさにテロワールの個性。
皆さん、それぞれにその特徴を捉えられていました。 


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 

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【Salone Report】 Wine Lovers Club 2018.2.16

本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしていきます。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「フランケン地方」です。

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フランケン地方はバイエルン州の北端に位置し、フランクフルトの東に位置する丘陵地帯で、フランケンのワイン産地は、北はローン山脈、東はシュタイガーヴァルト山地、南はタウバー峡谷、西はシュペッサート山地が境界となっています。葡萄畑の大部分はアシャッフェンブルクとシュヴァインフルトの間にあり、そこをマイン川が大きなW字型を描いて流れています。すべての葡萄畑がマイン川かその支流流域の南向きの斜面に開墾されています。
大西洋から遠いため、寒暖の差の激しい大陸性気候で、ライン西部のモーゼルやライン河沿いの地域とは一線を画します。土壌は、中生代、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀などの石灰岩層がベースになっています。
海外の方にも人気の中世の香り高い町々を巡る「ロマンティック街道」の北の出発点、ヴュルツブルグがある地域です。

フランケンは、「マイン川、シルヴァーナ種、石灰質土壌」に代表されます。ジューシーなシルヴァーナ種のワインはこの地方の象徴と名声の元であり、ボックスボイテルという特殊な形のボトルでフランケンのワインは直ぐにそれと分かります。
香りは弱いが、コクが強く、引き締まった辛口の土味が特徴で、ドイツワインは、一般に女性に例えられるのに対し、フランケン・ワインだけは常に男性的とされます。

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フランケンではまた、リースリング、シュペートブルグンダー、ショイレーベ、ミュラー・トゥルガウ・・・といった品種も栽培されていますが、それらは常にフランケンの最上の畑で栽培されています。


今回は、フランケン屈指のワイナリー、“シュロス・ゾンマーハウゼン”のワインを3種、テイスティングしました。
シュロス・ゾンマーハウゼンの設立は1435年、最も古い畑の歴史は記録される限り1114年まで遡ります。そして、1551年以来シュタイマン家により運営されてきました。以来、フランケン最良のワイナリーの一つとして知られ、この美しいゾンマーハウゼンの地で15世代に亘り今日まで偉大なワインを造り続けています。

テイスティングでは、皆さん、あまりの辛口度合いに、「ドイツワイン=甘口のイメージを覆させられた」と一様に驚かれていました。

今回テイスティングしたワインのノートは以下のとおりです。

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