本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

7月からは新たに、「スペイン」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
「スペインワインの産地を巡る」と題して、スペインワインの「地域」にスポットを当てて、ワインを取り上げてきましたが、今回から2回は「葡萄品種」に焦点を当ててテイスティング致します。
今回は「スペインの黒葡萄品種」です。

スペインのワイン造りの歴史は3,000年を越え、スペインならではのヴァラエティに富んだ固有品種が、それぞれ個性豊かな産地で栽培されてきました。そして近年、スペインを原産地に、あるいは限定された地域に古くから根付いてきた固有品種のなかで、その復活が注目され、あるいは品質が再評価されるようになったものが増えてきています。
その中でも、スペインの高級ワインはほとんどこの品種を原料としている、まさにスペイン最高の赤ワイン用品種、といえば「テンプラニーリョ(Tempranillo)」です。

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リオハ、ナバーラ地方の原産品種と言われ、「早熟」という意味をもちます。
栽培面積世界4位(※2010年O.I.V.データ)ですが、そのうちのほとんど(95%程度)をスペインと隣国のポルトガルで栽培しています。
とても多くの別名(シノニム)を持つ葡萄で、同じスペイン国内でも地域によって呼び方もさまざまで、マドリードとラ・マンチャではセンシベル、カスティーリャ・イ・レオン州ではティント・フィノまたはティント・デル・パイス、カタルーニャではウル・デ・リェブレと呼ばれます。隣国のポルトガルでは、アラゴネスやティンタ・ロリスという名前で呼ばれます。

北方から持ち込まれた品種のため、成熟が早く、収穫は9月中旬頃から行われます。
非常に繊細で香りがよく、タンニンも酸度も豊かで長期熟成に耐えられます。 
スペイン中で栽培され、様々なスタイルのワインを生む葡萄のため、味わいの特徴をまとめるのはなかなか難しい葡萄の一つです。酸は適度にあり、タンニンも滑らかながら量は十分。繊細で華やかな香りを持つ品種と言われます。スペインはアメリカン・オークの樽で長期熟成したワインを好む傾向があるため、しっかりとした樽香や、熟成由来のなめし皮やタバコ、ドライフラワーなどを思わせる香りを持つ事が良くあります。

今回は、テンプラニーリョを100%使用した、ラ・マンチャ、リオハ、カタルーニャのワインを飲み比べていただきました。ヴィンテージの違いがあるとは言え、それぞれの産地によって味わいが違うことを体感していただきました

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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