5月19日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の22回目は20箇所目「トスカーナ」のワインを取り上げました。

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トスカーナ州には、芸術の都・州都フィレンツェ、中世の文化都市シエナ、林立する塔の村サン・ジミニヤーノ、さらに、ルッカピサなど、イタリアの誇る中世ルネッサンスの町が多さんあって、人気の観光地です。

かつてフィレンツェ共和国として栄え、15世紀にはルネサンス文化の中心地だったトスカーナ。
ルネサンス後は、1716年にトスカーナ大公コジモ3世がカルミニャーノ、キャンティ、ポミーノ、ヴァル・ダルノ・ディ・ソプラの四つのワイン産地の境界を定めて、世界最初の原産地保護のモデルとなりました。
19世紀には、イタリア統一の運動リーダーであったベッティーノ・リカーゾリ男爵が、今日のキャンティのベースとなるFormulae(フォルムラ:サンジョヴェーゼ70%、カナイオーロ20%、マルヴァジア・デル・キャンティ10%)を定めました。

トスカーナ州は、北と東に広がるアペニン山脈と西に広がるティレニア海の間にいくつもの谷があり、山岳地帯が25%、丘陵地帯が67%で、気候は、内陸部は寒暖の差が激しい大陸的気候です。しかし、海岸寄りでは夏は涼しく、冬は温暖で安定した雨が少ない地中海性気候に恵まれています。

トスカーナ州は日本では最も知名度の高い州で、ワインにおいても、ピエモンテ州とともにイタリアを代表する名醸地です。

トスカーナ州は、赤ワインの生産量が89%と際立って多く、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノといった有名なD.O.C.G.をはじめとするDOCGとDOCの宝庫で、高品質な高品質なD.O.P.ワインが生産量の64%を占めています。そして、その高品質な赤ワインのほとんどがサンジョヴェーゼを主体にして造られています。

サンジョヴェーゼは世界全体の栽培量のほとんどがイタリアで生産されていますが、栽培土壌の選り好みが少ない多産品種なので、近年ではアメリカやオーストラリアでも栽培されており、イタリア起源のブドウ品種としては珍しい国際的な品種です。

生育においては、成熟が遅いため、暑い年には濃厚でアルコール分が高く長期熟成に耐えうるワインになり、冷涼な年には酸とタンニンが強くなる傾向があります。
またサンジョヴェーゼの主要な産地であるイタリア半島中部は、東西の幅が狭い上に真ん中にアペニン山脈が貫いており、地形は海から平野、丘陵地帯、山岳地帯と変化するためブドウ畑のテロワールも多彩。
さらにイタリアは栽培方法も多様でそれぞれの地方が独自の栽培文化を持つため、同じサンジョヴェーゼを使ったワインでもスタイルや味は産地によって異なります。

今回はトスカーナ州のサンジョヴェーゼで造られたワインを3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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