U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

キャロル・ライリー・ブリンク

【Salone report】 2022.10.25 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

10月25日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学はキャロル・ライリー・ブリンクの「アーマのうそ」でした。

キャロル・ライリー・ブリンクは、日本ではあまり知られていないアメリカの児童文学作家ですが、アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられる賞「ニューベリー賞」も受賞している、アメリカの児童文学黄金期に活躍した作家です。

谷口さんはキャロル・ライリー・ブリンクの本を2冊、「ミンティたちの森のかくれ家」、「小さいママと無人島」のタイトルで訳本を出され、茶論トークでも紹介くださっています。
今回は3冊目の訳本で、訳本としては初訳です。

キャロル・ライリー・ブリンクは10歳くらいの少女を主人公とした児童文学の優れたストーリーテラーとして知られ、この「アーマのうそ」のアーマもまたステキな主人公を務めます。
引っ越したばかりで人見知りがちな、ちょっと冴えない感じで表現されるアーマが、同じ学校に通うジュディに話しかけられ物語が動き始めます。ジュディにアーマが語った“ちょっとしたうそ”がきっかけで、アーマは学校中さらには街中から注目を集めるようになるのですが・・・
とあらすじを聞くだけでもワクワクしてきませんか?


アーマのうそ」は出版された時期は古いのですが、翻訳本として出版することで「新しい本」として甦る、そんな役割も翻訳本にはあると、谷口さんは仰いました。

翻訳するにあたっては、原文で成立するものを日本語に置き換えても成立するためには、原書にはない“工夫”が必要になります。そんな“工夫”があるからこそ、「日本語で読んでも面白い本」になるのです。
今回の「アーマのうそ」の翻訳で、谷口さんがなされた“工夫”の一端もご紹介くださいました。

キャロル・ライリー・ブリンクがニューベリー賞を受賞した作品は、谷口さんが訳された3冊にはありません。その優れた作品を訳すには、児童文学にはあるあるな題材がネックとなっています。
文学作品の時代背景の人々の当時の考え方を、児童文学を読む子どもたちに
知らせない方がいいのか?
知らせる方がいいのか?

いつも議題になる問題です

【Salone report】 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日はまず、2017年の12月に谷口さんの翻訳で出版された「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」に関連した動きのお話から始まりました。

出版後、今年の2月には教文館でイベントを開催されたり、新聞などで取り上げられたり、注目を集めている「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」。
5月には増版も決まったそうです。
そして今後も各地でイベントが開催されていくそうです。

そして、本日谷口さんがご紹介くださった英米児童文学はキャロル・ライリー・ブリンク作の「小さいママと無人島」です。
原題は「Baby Island」 、1937年に出版された本です。

この本の主人公は12歳と10歳の赤ちゃん大好きな姉妹。
この姉妹が父の居るオーストラリアへと、アメリカから乗船した船が嵐に遭遇
2歳から4ヶ月の4人の乳幼児とともに無人島に漂着するというお話。

この話は、作者のキャロル・ライリー・ブリンクさんがまだ子供だった頃は、近所の赤ちゃんを預かってあやすということが日常的だったことがベースになっています。
そして本が出版された1937年当時のアメリカでは、そのような光景が少なくなってきていたそうです。
12歳の女の子は兄弟姉妹ではない赤ちゃんの面倒をみることができる。
そんなメッセージも込められた作品なのでしょうか?

子供たちだけで無人島でどうやって暮らすのか?
それは本作を読んでいただくとして、今回のお話では「翻訳苦労話」を紹介くださいました。

「英米児童文学の愉しみ」でも何度か話題になっていますが、英米児童文学は時に原作をそのまま訳せない場合があります。 
時代背景の違いなどもあるのかもしれませんが、特に子供向け文学では「言葉の表現」が難しい場面がしばしば登場するそうです。

「知る」ことで「そうよね」と理解する人もいる一方で、「書いてあることをそのまま受け取ってしまう」人もいる。
それが懸案となって、言葉選びが慎重になってしまうことも、時には本の内容に変更が加えられることもあるそうです。

ただ、「理解する」ためにはまず「知る」ことから始まるのも事実。
たくさんの多様な文学と出会うことも、多様な世界を理解する一助になると思います。 

【翻訳家 谷口由美子の茶論トーク】 2018.4.24 お話づくりの名手キャロル・ライリー・ブリンクの新訳本です

「大草原の小さな家」シリーズをはじめ、「赤毛のアン」、「若草物語」、「サウンド・オブ・ミュージック」など、時代を超えて今なお読み継がれるあまたの英米児童文学。
その多くの英米児童文学の翻訳をされている谷口 由美子さんにお越しいただき、それぞれの作品にまつわる魅力的なエピソードをお話いただくお茶会、それが
翻訳家 谷口由美子の茶論(サロン)トーク 英米児童文学の愉しみ
です。


物語の世界と実際の原作者の生活との関係性や、
舞台化または映画化されるにあたって変更された部分やその理由などなど。
今でもその瑞々しい魅力を持ち続ける英米児童文学を、もっともっと読んでみたくなる♪
そんなお話に溢れるお茶会です。
大人の方はもちろん、これから英米児童文学に出会うお子さんにも参加して頂きたいお茶会です。


次回は、4月24日 14:00 から、「小さいママと無人島」です。

お話づくりの名手、キャロル・ライリー・ブリンクの新しい訳本「小さいママと無人島」。
無人島?
小さいママ?
どんなお話なのでしょう?
谷口さんがたっぷりとお話くださいます。

参加費 ¥2,000+カフェオーダー
U_U サポーター'sチケットご利用の方 ¥1,500+カフェオーダー

お問い合わせまたはお申し込みは、03-3944-2356 ガレリア カフェ ユウにお電話いただくか、もしくは[u_u_info]宛てにメールにて、ご一報くださいませ♪

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