3月17日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の21回目は19箇所目の「シチリア州」の「エトナ」ワインを取り上げました。

230317001

シチリア州の中心であるシチリア島東部に、積雪が見られる程寒冷な島のシンボル エトナ火山(3326m)があります。※火山活動が活発であるため標高の変化が早いようで現在のエトナ山は標高3343mともいわれています。
ヨーロッパ最大にして最高峰の活火山で、2013年には世界遺産に登録されています。今も頻繁に噴火していますが、その周辺ではブドウ造りが行われています。

ブドウ栽培の歴史も古く、古代ギリシャの植民地だったエトナ山麓では、紀元前7世紀からワイン造りが行なわれています。
エトナワインの生産量はシチリア全体の僅か3~4%にしか過ぎませんが、1968年にシチリアで最初のDOC 地区に認定された高品質のワイン産地です。

エトナ山の東側でブドウは栽培されており、標高300~1200mの場所に畑があります。
シチリア島は地中海性気候ですが、エトナはアルプス気候(高山性気候)と呼ばれています。
昼夜の寒暖差も大きく、ブドウはしっかりとした酸味を蓄えることが出来ます。またシチリア島の中では比較的雨が多く、収穫は遅い時期に行われています。

ミネラルと鉄分の富んだ火山性の土壌は、今までのシチリアワインのイメージとは全く異なり、綺麗な酸とミネラルに富む整然とした麗しいスタイル、膨らみのある長い余韻は強さではなく、洗練された品格を纏う、バローロやバルバレスコ、またはブルゴーニュにも相い通じるスタイルを感じさせます。特にエトナの伝統的土着品種、ネレッロマスカレーゼにおいては、素晴らしく奥深い味わいのワインを産み出しています。

近年はトスカーナや諸外国からエトナでワインを造り始めた生産者もいて、イタリア国内および海外でも非常に高い評価を受けるワイナリーが登場しています。エトナの大地の味わいを体現した伝統的なワイン造りに力が入れられていて、世界中でも稀有なワイン産地として注目を集めています。


「“エトナ”は“シチリア”と分けて理解するべきだと考えています。それほどにエトナはシチリアの他の部分とは異なるのです。地勢も、気候も、土壌も、文化までも。当然、そこから生まれるワインも独自のものになります」
とエトナの生産者の誰しもが言うくらい、そのワインは特有の個性を示します。


今回はシチリア州のワインの2回目として、エトナのワインを3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

230317002
230317003