本日は、スペシャルサローネ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の作曲家 周防 義和さんによります「映画音楽カミクダキ」を開催いたしました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございます。

映画音楽カミクダキ」では周防 義和さんが、周防さんと一緒に活動されている作編曲家のJirafaさんとともに、周防さん、Jirafaさんが手がけられたCMの映像を映画を題材に、おもしろエピソードを交えながら、映像音楽の創られ方や効果について解説してくださいます。

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本日の「映画音楽カミクダキ」も2部構成。
1部はコマーシャル音楽編。
CMは15秒、長くても60秒。その中で、その商品のコンセプトなど伝えたいことが凝縮されています。
その伝えたいイメージを大きく担うのが、実は映像音楽。

今回紹介くださった題材では、例えば「化粧品」のCM。
「くすみの原因を消しちゃうの」というキーワードをきっかけに、「肌が明るくなる」ような感じを曲調でも表現したり。
「なんのCMだろう」と興味を引くような音楽で始まったり(CMは見てもらうことが大切なので)。

また「お出汁」のメーカーのCMでは、「忙しい朝でも味噌汁くらいは飲みましょう」というメッセージを伝えるために、CM内の女優さんはバタバタしているけれど、音楽はしっとりゆったりすることで、伝えたり。

などといった工夫のカミクダキをしていただきました。


また今回もピアノを使って、スケールの解説や、ほかにも参加くださった方が愉しめるような趣向も盛り込まれていました。

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周防さんとJirafaさんがサングラスをしているのは、実は「マイナーコード占い」のため。
4つのパターンのどのマイナーコードが好きかで恋愛のパターンが分かるのだとか!
実際に参加くださった皆さまも、ご自分の回答とJirafaさんの解説を聴いて納得されていました。


ブレイクをはさんで2部は、周防さん、そしてJirafaさんも劇伴奏音楽を担当された映画の中の音楽効果のカミクダキ。

取り上げられた映画は、松竹映画製作で、2014年6月21日に全国252スクリーンで公開された、本木克英監督、主演には佐々木蔵之介さんや深田恭子さんがキャスティングされた時代劇。

江戸時代の参勤交代の参勤(江戸に出向くのが参勤、江戸から国元に帰るのが交代と言うのだそうです)を題材にしたストーリーで、舞台は福島県いわき市に実在した湯長谷藩。

今回もテーマ音楽のアレンジの意味だったり、音の入れ方、またはセリフを際立たせるために敢えて音楽を抜いた場面など、カミクダいていただきました。


また、映画冒頭で、国元に帰ってきた途上のお殿様が、国の百姓さんが取ったばかりの大根をかじって
「よい土になってまいった」
と声を掛け、そしてラストの方では、時の将軍と殿様が差しで会話をするところで、
「いわきの土を汚すでないぞ」
と声を掛けられ、
「とこしえに」
と応えるシーンがあります。

これは、暗に込められた福島県の現状のメッセージです。
それを識った上でもう一度この映画を観ると、また違った鑑賞ができることと思います。

「映画には無駄なシーンはひとつもない」
と、周防さん。
だから、まずはすべてのシーンを、主役の後ろの方で動いている人の動きまでもちゃんと観ること。
そうすると、その映画で伝えたいことがもっと受け取ることができる。
そんな映画の鑑賞方法もカミクダいていただきました。


今回の「映画音楽カミクダキ」のあとも、お時間ございます方とともに、アフターアワーを愉しみました♪

次回は11月25日に開催致します。