本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日はまず、2017年の12月に谷口さんの翻訳で出版された「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」に関連した動きのお話から始まりました。

出版後、今年の2月には教文館でイベントを開催されたり、新聞などで取り上げられたり、注目を集めている「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」。
5月には増版も決まったそうです。
そして今後も各地でイベントが開催されていくそうです。

そして、本日谷口さんがご紹介くださった英米児童文学はキャロル・ライリー・ブリンク作の「小さいママと無人島」です。
原題は「Baby Island」 、1937年に出版された本です。

この本の主人公は12歳と10歳の赤ちゃん大好きな姉妹。
この姉妹が父の居るオーストラリアへと、アメリカから乗船した船が嵐に遭遇
2歳から4ヶ月の4人の乳幼児とともに無人島に漂着するというお話。

この話は、作者のキャロル・ライリー・ブリンクさんがまだ子供だった頃は、近所の赤ちゃんを預かってあやすということが日常的だったことがベースになっています。
そして本が出版された1937年当時のアメリカでは、そのような光景が少なくなってきていたそうです。
12歳の女の子は兄弟姉妹ではない赤ちゃんの面倒をみることができる。
そんなメッセージも込められた作品なのでしょうか?

子供たちだけで無人島でどうやって暮らすのか?
それは本作を読んでいただくとして、今回のお話では「翻訳苦労話」を紹介くださいました。

「英米児童文学の愉しみ」でも何度か話題になっていますが、英米児童文学は時に原作をそのまま訳せない場合があります。 
時代背景の違いなどもあるのかもしれませんが、特に子供向け文学では「言葉の表現」が難しい場面がしばしば登場するそうです。

「知る」ことで「そうよね」と理解する人もいる一方で、「書いてあることをそのまま受け取ってしまう」人もいる。
それが懸案となって、言葉選びが慎重になってしまうことも、時には本の内容に変更が加えられることもあるそうです。

ただ、「理解する」ためにはまず「知る」ことから始まるのも事実。
たくさんの多様な文学と出会うことも、多様な世界を理解する一助になると思います。