本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

1月からは新たに、「ドイツ」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしています。
ドイツには13の指定生産地域があります。
今回ピックアップした生産地は「ラインガウ地方」です。

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ラインガウは、大河ラインが、マインツあたりにさしかかるころ、急に西に直角に方向転換する、その北岸、真南に向いたタウヌス山腹の一面にあります。従って、ライン河に沿う約40kmに渡るその葡萄畑は総て真南に向いています。 
ライン河はこの地域でその河幅を一層広め、最大1.2kmに達する所もあり、この大河の恵みを十二分に受けます。また、背後のタウヌス(Taunus)山系によって荒々しい北風からも守られ、まれにみる好条件の葡萄畑が生み出され、昔から大銘醸ワインの数々を世に送り出して来ました。ドイツにおける最も高級な歴史的ワイン産地がラインガウです。

ラインガウ地方は、全生産地のうちでリースリングの栽培比率が最も高い地域で、ほぼ90%を占めるほか、輸出率が高い地域でもあります。酸味が豊かな辛口あるいは中辛口のリースリング、ふくよかなシュペートブルグンダーの産地として知られています。土壌の地質学的条件やライン川流域の理想的な気候条件は葡萄の生育に最適で、夏場にも充分な湿度が保たれています。
カール大帝が、対岸のインゲルハイムの王宮から、ラインガウを見やり、その雪解けの早さから、その暖かさを知り、葡萄栽培を奨励したと言う逸話は良く知られています。


今回取り上げた生産者は、2つ。

ひとつは英国のヴィクトリア女王が自らの名前を与えた銘醸畑ホッホハイマーを擁するドイツ最高レベル、かつ入手困難な蔵、「ヴァイングート・ヨアヒム・フリック」です。

ドイツワイン、特にドイツのリースリングのことをイギリスでホックと呼ぶのは、この銘醸畑「ホッホハイマー」に由来します。王室の紋章がワインのラベルに使われることなど無いことですが、ヴィクトリア女王がこの地を訪れ感動したことから、女王の名にちなんで畑を「ケーニギン(女王)・ヴィクトリアベルク」と名づける許可を得、大英帝国の紋章がラベルにデザインされるようになっています。そして1850年以来、ヴィクトリアベルクのワインは王室の式典でも愛用されています。 

もうひとつは12世紀以来一度として途切れることなくワイン醸造が営まれてきたラインガウの銘醸、「クロスター・エーバーバッハ醸造所」です。

エーバーバッハ修道院と醸造所から成るクロスター・エーバーバッハはもともと1135年創立のシトー派の修道院で、1803年に俗化した後は州立醸造所となり、1998年には財団法人となって醸造所も完全に独立運営されることになりました。
クロスター・エーバーバッハ醸造所が所有する畑の中でも修道僧たちによって開墾され、1230年代に完成されたとされるオルツタイルラーゲ「シュタインベルク」24ヘクタールは最も有名で、シトー派の修道士の故郷ブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョと様式を同じくする高い石の塀に囲まれた特別な区画です。 
また、ドイツ ピノ・ノワールの銘醸地として最も古く最も優良な土地として知られるアスマンズホイザー・ヘレンベルグを所有。ブルゴーニュに匹敵する美しいワインを産み出しています。 


今回テイスティングしたワインのノートは下記のとおりです。
 
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