本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

本日、谷口さんがご紹介くださいましたのは、「大草原の小さな家」シリーズを書いたローラ・インガルス・ワイルダーの覚書「パイオニア・ガール」です。

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ローラが自分が経験したことを綴った覚書。
それを原石として、ローラが「子供向けの児童文学」として出版した「大草原の小さな家」シリーズ。
その関係性をパメラ・スミス・ヒルさんが注釈を付けて2014年12月にアメリカで出版されたのが「パイオニア・ガール」 です。

その翻訳権を得て、翻訳されたのが谷口さん。
いよいよ2017年の12月に、翻訳版「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」として出版されます。
今日はそのさわりのお話でした。

ローラがロックフェラーセンターで行った講演において、
 「あなたが書いた本は事実なのですか?」
という質問に対し、
 「あれは本当のことです。でも事実の全てではありません。」
と答えているそうです。

そのローラの意味することを明確に代弁する本が「パイオニア・ガール」です。
ローラが「I ...」と一人称形式で、自分自身が子どもから大人へと成長するさまや経験を大人の視点で綴った覚書。
その覚書の中に、子どもたちが好み、面白がる話が盛り込まれていることを見抜いた、既に作家であったローラの娘ローズが背中を押し、ローラが書き、ローズがアドバイスをし生まれたのが「大草原のローラ」シリーズ。

そのためには、翻訳本もパメラ・スミス・ヒルさんの注釈が、この「パイオニア・ガール」には不可欠な要素なのです。

この「パイオニア・ガール」を読むことで、どうやって「個人のメモリアル」が「多くの方に共感を呼ぶ物語」へと変貌したか、ローラの作家としての成長が見て取れることと思います。

12月、出版を愉しみにお待ちください。

次回の「英米児童文学の愉しみ」はスペシャルヴァージョンで開催いたします。