本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

本日、谷口さんがご紹介くださいましたのは、ローラ・インガルス・ワイルダーの新書「パイオニアガール」です。

2016年2月9日の茶論トークで紹介くださった「パイオニアガール」、いよいよ今年「2017年のローラ生誕150周年」の冬に出版される運びになってきました。
本日の茶論トークでは、翻訳版のもくじを資料として見せてくださいました。

2014年秋にアメリカで出版された「パイオニアガール」。
前回もお伝えしましたとおり、これはローラ自身が書き留めておいた回想録です。
しかもベースは、娘ローズが添削する前、まさにローラが執筆したものです。
そこにパメラ・スミス・ヒルさんが解説・注釈を付けているのが原作の「Pioneer Girl」。
翻訳本では、「リトルハウスシリーズ」の引用も福音館書店、岩波書店の本の翻訳文を引用するなど、谷口さんが工夫されています。
既出版翻訳本との対比ができ、そして読みたい既出版翻訳本がわかる、とてもありがたい配慮です。

繰り返しになりますが、ローラの名前を知らしめた「リトルハウスシリーズ」は、「パイオニアガール」を子供たちのためにローラがフィクションも交えて再創造したものです。
「プラム・クリークの土手で」の出版に関するインタビューに答えたローラの肉声では、
「この本は“本当のこと”を書いています」と答えている、と谷口さんが教えてくださいました。
“本当のこと”は英語でローラは"true"を使っているそうです。

ローラは"real"な実体験を元に、子供たちに伝えたいことをより現実味を帯びて伝わるように"true"のこととして物語を書きました。
今回出版される「パイオニアガール」と比べて読むことで、ローラが何を伝えるべきと思ったか、(そして何を伝えるべきではないと思ったか)が読み手に伝わるのではないでしょうか?

ローラは事実を伝えたかったのではなく、どんな苦境でも希望を持って生きていくための智慧を伝えたかったのではないか?と思います。

谷口さんの翻訳によって出版される「パイオニアガール」!
出来上がりが愉しみです♪

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