ジャズドラマーとして活躍されながら、国立音楽大学にてジャズ史の教鞭もとっている高橋 徹さんによります「ジャズ歴史講座」♪
5回シリーズで三回目を本日開催いたしました。
参加くださいました皆さま、ありがとうございます♪ 
 
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今回のテーマは「「マイルス・デイビスを取り巻くサウンドとフリージャズの台頭」1960~1970」でした。

前回の講座で触れた「BeBap」、「HardBap」を牽引するミュージシャンも引き続き生まれながら、時代はマイルス・デイビスが新しいジャズを牽引し始める時代の話です。

この時代は、Ornet Colemanが打ち出した問題作「フリージャズ」、John Coltraneが編み出したコードチェンジの極限を追い求めたサウンド、そしてコード進行も音列もシンプルで表現の自由さを生み出すMiles Davisのモードジャズが同時に存在した時代でした。

時代背景としてはアメリカで公民権運動が起きている時代。
分離された上での平等から法の上での黒人の人権の平等を求める動きで、黒人音楽が力を持つ時代。
さらには法の上での平等が成立したにも関わらず残る人種差別に激した黒人運動の暴力化。
これにはフリージャズのアヴァンギャルドさがマッチしました。

しかし70年代が近づくと、フリージャズはフラワーチルドレン・ヒッピーの出現に合わせて急速に力を失い、マイルス・デイビスの音にはロックの8ビートとエレクトリックの要素が組み込まれ始めます。

ジャズは流行の移り変わりはあるものの、推移するのではなくスタイルの種類が増えていく音楽。
どのジャズのスタイルから親しむか?
もジャズを愉しむ上では大切なことかもしれません。

そして時代はフュージョンの時代へと移ります。
9月11日をお愉しみください。