ジャズドラマーとして活躍されながら、国立音楽大学にてジャズ史の教鞭もとっている高橋 徹さんによります「ジャズ歴史講座」♪
5回シリーズで二回目を本日開催いたしました。
参加くださいました皆さま、ありがとうございます♪ 
 
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今回のテーマは「「BeBopの誕生~Hardbopの時代」1940~1960」でした。

1940年に隆盛を誇ったSWING。
第二次世界大戦中は国威高揚と戦地の兵士の慰問で圧倒的な成功を収めていたのが、終戦とともにその地位を急速に失うことになりました。

1940年代初頭から少しずつ発展してきたジャズのスタイルが「BeBop」 です。
それは若手音楽家が、お客が踊ることを前提としない、音楽家のための音楽を表現するために取り組み発展したジャズのスタイル、とのこと。

この頃はちょうど、レコーディングストライキの時期に当たるために、BeBopの黎明期のサウンドはほとんど録音されていないそうです。 
そんな中でも録音されている貴重なアルバムの音源を聴きながら、高橋さんが「BeBop」の特徴を解説くださいました。

まず、ギタリスト チャーリー・クリスチャンの演奏で、それまでのカッティングオンリーなギターの役割が演奏楽器として存在するようになったことがあげられました。
ギターであれば、半音ずらしや一オクターブずらしの移行が容易であり、そのかっこ良さをほかの楽器も真似るようになったとのこと。
そしてケニー・クラークのドラムから、基本の4ビートがバスドラムではなくシンバルになっていること、そして自由になったバスドラムはアクセントをランダムに置くようになったこと。
4ビートの刻みはそれまでバスドラムに消されてしまっていたベースに移行されたこと。
ベースが4ビートを刻むことで、ピアノの左手も4分弾きから解放されたこと。
またこれらによって、音をみんなちゃんと聴けるようになったことで、和声がより一層広げられるようになったそうです。
そして最大の特徴が、曲の最初と最後にテーマを演奏し、そのコード進行に基づいて各自のアドリブ任せで演奏が進む、今のジャズスタイルが確立されたこと、でした。
「BeBop」以降のジャズを、モダンジャズと言うそうです。

キーとなる演奏者として、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーを中心に音源と映像を視聴しながら解説くださいました。

朝鮮戦争や映画産業の興隆、そして冷戦構造におけるアメリカの資本主義への傾倒を勧める外交戦略の時代背景によって、さまざまなジャズスタイルが生まれていくようすも解説いただきました。

そしていよいよマイルス・デイビスが登場してきます。
それは次回、8月14日をお愉しみください。