10月18日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2024年9月からは「オーストラリア」のワインを取り上げています。

オーストラリアは、新興国の中でも、チリと共にワイン産業を盛り上げているワイン国。
世界一大きな島であり、また世界一小さな大陸であり、世界で6番目に広いと言われる国土はヨーロッパ全体のおおよそ7割にも匹敵し、その広さゆえ地域によって気候風土に特徴が異なります。
ワイン産地は、シラーズの銘醸地として最も有名なバロッサ・ヴァレーを始めとして、東端のニュー・サウス・ウェールズ州から西端の西オーストラリア州まで3,000km超にわたって点在しています。
また、近年は世界的なトレンドや地球温暖化による影響から、タスマニアやヤラ・ヴァレーをはじめとした冷涼産地(クール・クライメイト)にも注目が集まっており、異なるテロワールを持つ各産地から、多様性豊かなワインが生み出されています。
そんなオーストラリアでは、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネといった多彩なブドウ品種が栽培されており、その生産量と質の両方において重要な役割を果たしています。


オーストラリア」のワインの2回目は「西オーストラリア州のワイン」を取り上げました。

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西オーストラリア州は、オーストラリア最大の州で、大陸の西側1/3を網羅しますが、ワイン産地は州の南西部と南部に集中しています。州都パースに近い産地もいくつかありますが、ほとんどは都市部から遠く南に離れた場所にあります。

西オーストラリア州は鉱物資源(金・鉄鉱石・ニッケル・アルミナ・ダイヤモンド)が豊富なため、この資源の度重なる発掘ラッシュによって成長しました。
また、オーストラリア固有の動植物の半分近くが、西オーストラリア州の多様な自然環境の中で発見されています。


パースから南にかけての海岸沿いは、冬に雨が多く、夏に乾燥する地中海性気候であり、病害も少ないことからブドウ栽培には基本的に適しています。

高品質カベルネ・ソーヴィニヨンを生み出すマーガレット・リヴァーが世界的な名声を得ており、他に赤ワインはシラーズやメルロ、白ワインはシュナン・ブランやシャルドネなど豊富な種類を産出。ワイン生産量は国のわずか5%程ですが、地中海性気候のスワン・ディストリクトや冷涼なグレート・サザンなど銘醸地が名を連ね、比較的安価な値段ながら、熟成に耐えるポテンシャルを持った高クオリティーワインを多く生み出しています。多様な気候と土壌に恵まれた広い範囲に葡萄畑が点在し、ワインの味わいにも多彩な顔が見られる地域です。


西オーストラリアのワイン産業が、南オーストラリア州やヴィクトリア州よりも早く創立されたのは、あまり知られていません。植物学者トーマス・ウォーターズが、1829年にヴィニフェラ葡萄の苗木を運び、オーストラリア最古のワイナリーを築いたのにはじまります。

当時フランスの艦隊がこの地の沿岸に出没し、オーストラリアへの植民の機会をうかがっていたため、イギリス政府としては、フランスの侵入を阻止するため、オーストラリアの海岸沿いの拠点に早急に入植を行い、植民地を建設する必要がありました。
パースは、このような理由から植民地建設が行われ、当初、自由植民地として始まっています。

西オーストラリアの商業的ワイン葡萄栽培はスワン・ヴァレーだけで行なわれてきました。その他の地区で葡萄栽培が始まったのは1960年以降で、急速に発展しました。現在も発展中で、マーガレット・リヴァー地区などはオーストラリアで最も高品質のワイン生産地域として世界のマーケットから注目されるほどです。



今回は西オーストラリア州のグレートサザン地区のワインを実際に味わって、感じていただきました。

今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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