2月16日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

今月から「ニュージーランド」のワインを取り上げます。

その1回目は「マールボロ地方」のワインを取り上げました。

240216ワイララパマップ


ニュージーランドは、北島・南島の2つの島に広がり、南緯36度~45度、南北1,500kmにわたる細長い産地です。国土はおよそ日本の北海道をのぞいたサイズと言われています。
人口はおよそ420万人(日本のおよそ30分の1)、羊はその10倍いると言われています。
ニュージーランドのワイン産地は海に囲まれた海洋性気候の地域がほとんどで、生育期間がゆっくりなのが、特徴です。冷涼な気候の元で造られるワインは非常にエレガントなものが多いです。

ニュージーランド北島の最南端にある産地ワイララパ(Wairarapa)は、マオリ語で“輝く水の土地” という意味で、その名の通り豊かな自然が残る地域です。
栽培面積が狭いこの地方は、ニュージーランド全体のわずか3%ほどの栽培面積、生産量としては全体の1.4%しかありませんが、約10%の生産者が存在します。

そんなワイララパを一言で表現するなら、
ニュージーランドにおけるピノ・ノワールの聖地
栽培面積や生産量は雀の涙ほどだが、品質は最上級”です。

そのきっかけは1970年代、土壌学者のディレック・ミルネ博士が「(ワイララパ地方の)マーティンボローの土壌や気温、降水量がブルゴーニュに似ている」と発表したことで、この地がブドウ栽培に適していることが判明しました。

しかし、マーティンボローのブドウ栽培が可能な土地があまりにも狭く、同社は博士が2番目に推奨した「マールボロ地方」を開拓先に選びました。その後1978年にはミルネ博士らの土壌レポートが一般公開されたことを機に、そのデータに興味を示した人達がマーティンボローでワイン造りを始めました。
そして今ではマールボロ地方ニュージーランドを代表する巨大産地となり、マーティンボロー希少価値の高いワインを生み出すプレミアム産地となっています。

現在の地位を確立する過程では、多くの生産者が摘果や摘房を厳しく行い、その結果収量が国の平均と比較しても非常に低くなったという背景があります。3%の栽培面積に対して生産量は全体の1%という数字からもその品質へのこだわりが読み取れます。

ワイララパ地域を代表するブドウ品種は何と言っても、赤ワイン用ぶどうの「ピノ・ノワール」です。

ニュージーランドのワイン産地は「リージョン」と呼ばれる大きな地域があり、さらにその中に「サブ・リージョン」という少域の地域があります。
ワイララパ地方のサブ・リージョンは、以下の3つです。
・マーティンボロー(Martinborough)
・グラッドストーン(Gradstone)
・マスタートン(Masterton)

そしてこの地方の特徴は以下の3つです。
・1日の寒暖差が激しい
・降水量が少なく、水はけの良い土壌
サブ・リージョンの「マーティンボロー」が特に有名

普通はその大きな区域の方が認知度は高くなりますが、「ワイララパ地方」は例外です。認知度で言えば、マーティンボロー > ワイララパとなります。

マーティンボローでは、小規模ながら立派なワイナリーがおよそ30軒あります。そのほとんどが家族で所有、運営しています。そして本場ブルゴーニュのものとも負けずとも劣らないようなピノ・ノワールが生み出されています。しかし、ブルゴーニュと比べるとコスパが高いワインが多いので「手が届く範囲の価格で、本格的なピノ・ノワールを楽しみたい!」という方にはおすすめの産地です。
 
今回はニュージーランドのマーティンボロー地方で造られたワインを、3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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