11月17日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

今月から「日本」のワインを取り上げます。

その2回目は「日本で交配育種された品種」を取り上げました。

日本のワイン造りの歴史は百数十年。ブドウ栽培に比べるとはるかに短いです。
現在日本のワインの原料として使われている品種は少なくとも80種以上、非常にヴァラエティに富んでいます。

日本のワインに使われる品種は大きく3つに分けられます。
第一のグループは、日本の在来種。その代表例が甲州です。
もうひとつの日本の在来種は野生ブドウ系。粒がまばらな房、かなり強い酸。見た目も味わいもヴィニフェラと大きく異なります。

第二のグループは日本で交配育種された品種。このグループはさらに3つに分けられます。
ひとつは、ヴィティス・ラブラスカ種とヴィティス・ヴィニフェラ種を交配した品種群。
昭和初期これらの品種交配に心血を注いだ川上善兵衛氏にちなみ、川上善兵衛品種と呼ばれることもあります。川上氏は1万種類以上の品種を育成し、22種を優良品種として発表しました。マスカットベーリーAブラッククイーンはワイン用原料としての地位を確保しています。

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もうひとつは、野生ブドウを交配に使った品種群。澤登晴雄氏が交配した品種が挙げられます。しかし小公子以外はなかなか実績が上がっていないのが実情です。
野生ブドウの交配は北海道の池田町や山梨大学でも進められています。
最後はヴィニフェラ系の交配種。
ただし、こちらはすでにワインに仕込まなくなってしまった品種も多いようです。

第三のグループは海外から持ち込んだ品種。
最近ようやく結果が出始めたメルロ、シャルドネなど、ヴィニフェラ種はこのグループ。
デラウェア、コンコードなど、ラブラスカ種は生食用と兼用のものが多く、フォックスフレーバーと称される個性的な香りが強いのが特徴です。


今回は川上善兵衛品種を含む日本で交配育種された品種を、3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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