10月20日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪
今月から「日本」のワインを取り上げます。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪
今月から「日本」のワインを取り上げます。
その1回目は「甲州」を取り上げました。
「甲州ブドウ」はシルクロード並びに中国を経て日本に伝わった、東アジア系のヨーロッパブドウ品種です。
その素性はカリフォルニア大学デイヴィス校のDNA鑑定で、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン同様のワイン用ブドウ(ヴィティス・ヴィニフェラ)であることが認められました。
日本固有のワイン用品種として、海外に誇る事ができるブドウなのです。
「甲州ブドウ」の歴史は山梨県、勝沼町近辺と密接な関係がります。
とはいってもどのように伝わったか、又いつから栽培されていたかという点ははっきりしていません。
ですが鎌倉時代には既に山梨県で栽培が始まっていたこととは、確かです。
ですが鎌倉時代には既に山梨県で栽培が始まっていたこととは、確かです。
「甲州ブドウ」はピンク色をした厚い皮を持つ大きめの果粒が、隙間を開けて房を形作る美しいブドウ。その皮の淡い色素は、ブドウにとって環境に対する抵抗力を高める物質の1つとして考えられています。また、厚い皮や、大きく開いた果粒間の隙間も、湿度が高い日本で病気にかからない為にブドウ自身が環境に合わせて変化したものと見られています。
一方、山梨県は温暖で年間の降雨量が少なく湿度が低い場所。ブドウ収穫期の台風襲来も比較的少ない県です。それと同時に山地が多く、やせた水はけのよい土壌が多く分布している土地柄。中央アジアの乾燥地帯で生まれ育ったヴィニフェラ種をルーツに持つ「甲州ブドウ」にとって、日本の中では適した環境だったと推察できます。
ヴィニフェラ種にとっては、高温多湿で酸性土壌という過酷な自然。その日本の環境に適応した「甲州ブドウ」は、生食用果物としては人気を博しましたが、残念ながらワイン用ブドウとしては不適切な性質を幾つか持っています。
例えば、少ない香気と低い酸味。又、実離れが悪いピンク色の果皮は、果汁に色を付けると同時に、ワインに渋みを与えます。
それらの性質に加えて、ウィルスの影響で糖度が上がりにくい「甲州ブドウ」。欠点を克服し、海外の専門家も認めた高品質なワインが出来るまでには、高い志を持つ研究者と生産者による、数多くの試みが繰り返されました。
最終的にシャトー・メルシャンが日本固有の甲州ブドウから、初めて柑橘系のさわやかな香りを引き出し、日本ワインに新たな希望と光をもたらしました。
今でも日本の固有品種として、さまざまなアプローチで、甲州ブドウの優れたワイン造りが続けられています。
今でも日本の固有品種として、さまざまなアプローチで、甲州ブドウの優れたワイン造りが続けられています。
今回はいずれも勝沼の甲州ワインで製造の違うものを、3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。