7月21日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の23回目は20箇所目「トスカーナ」のワインを取り上げました。

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トスカーナ州は日本では最も知名度の高い州で、ワインにおいても、ピエモンテ州とともにイタリアを代表する名醸地です。

トスカーナ州は、赤ワインの生産量が89%と際立って多く、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノといった有名なD.O.C.G.をはじめとするDOCGとDOCの宝庫で、高品質な高品質なD.O.P.ワインが生産量の64%を占めています。そして、その高品質な赤ワインのほとんどがサンジョヴェーゼを主体にして造られています。

伝統あるトスカーナ州のワインに、突如、センセーショナルな出来事が起こります。

それまでトスカーナ州の中でも、知名度が低かったボルゲリという地にて、無類のボルドーワイン好きだったマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵が、親交のあったシャトー・ラフィット・ロートシルト家から、1944年にカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木を送ってもらい、自家消費用として造りはじめました。
 当初、自家消費用のワインとして造られていましたが、1968年公爵が息子のニコロに経営を譲り、アンティノリの醸造家であったジャコモ・タキス氏を迎え入れると、ニコロとタキス両名はとにかく「美味しい」ワインを造ることにこだわり、ステンレス発酵タンク、長いマセラシオン、フレンチオークでの樽熟成など当時最新鋭の技術を導入。

1970年代当時イタリアのワイン法では、「DOCG」「DOC」「IGT」「Vino da Tabola(現在はVino)」の4つのランクに分けられており、上位のDOCGやDOCと認められるためには、イタリアの固有品種であるブドウを使用しなければならず、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといった国際品種で造られたワインは、一番ランクの低いVino da Tabolaと格付けられました。

そんなワイン法が適用されるイタリアワインの中で、トスカーナ地方から国際品種を使った高品質ワインが次々に誕生しました。
イタリア中部、トスカーナ州で生まれた、モダンな造りのワイン。フランスのクラシカルなワインが「高級ワイン市場」を席巻していたそのときに、それは、ワイン法の伝統や格式に囚われずに自由に美味しさを追求した結果に生まれた産物でした。
 
スーパー・タスカンの元祖と言われ、スーパー・タスカンの頂点に君臨し続ける「サッシカイア」は、1968年販売を開始すると瞬く間にサッシカイアの評判が広がり、ボルドースタイルのトスカーナワインは世界に周知されることになりました。
そして、この功績が認められ1994年「ボルゲリ・サッシカイア」というDOC呼称を得ることとなり、単独のワイナリーがDOCとなった初のケースとして、イタリアワインの歴史を変えたのです。

1978年イギリスで最も権威のあるワイン雑誌「デキャンター」が主催するブラインド・テイスティングにおいて、シャトー・マルゴーなどの名門を抑え、「ベスト・カベルネ」にトスカーナワインの「サッシカイア」が選ばれたことが全ての始まり。世界トップワインに仲間入りしたサッシカイアに続けと、多くの資産家がワイナリーを建設、国際品種の植樹やバリック熟成などモダンなスタイルのワインが次々と生まれました。

それが「スーパー・タスカン」と言われるワインです。


今回はトスカーナ州のボルゲリで造られたワイン、そしてスーパー・タスカンの3種類取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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