4月18日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学はディック・キング=スミスの「白い馬をさがせ」と「学校ねずみのフローラ」でした。

集まった方どうしの自己紹介からの流れで、「児童文学」のお話から今日は茶論トークが始まりました。
「児童文学」は“子どものための文学”でありますが、決して“次元の低い本”ではありません。
その例えとして用いられるのは「お粥」。
お粥はお米をより嚙み砕きやすく、消化しやすいように調理した方法ですが、児童文学も同じように、しっかりした価値を子どもにも消化しやすいように書いた文学、それが児童文学なのです。

そんな児童文学の良書を子どもに読ませたい!
と熱意と行動力のある方が創業された出版社の社長さんと谷口さんが出会ったのは、アメリカで開催された児童文学のセミナー会場。
きっかけは、谷口さんが訳され出版されていた本で絶版となっていた作品を、「ぜひうちで再版させてほしい」と直々にお願いされたこと、だそうです。

今回、谷口さんが紹介くださった本は、その社長さんから「谷口さんに訳してほしい」と依頼されて引き受けた作品なのだそうです。

ディック・キング=スミスは動物を主役にした作品に長けた英国の児童文学作家です。
子豚が主役の映画となった「ベイブ」の原作者といえば、ご存じの方も多いかもしれません。

谷口さんが訳された2冊も、動物の目から見た世界が瑞々しく描かれた作品です。

学校ねずみのフローラ」は、ねずみが主役のお話。
人間の初等教育学校で暮らすねずみの一匹フローラは、人間の子どもたちが習う教材を見聞きすることで「人間の言葉」を読むことができるようになります。
そうして教養を身に着けたフローラは、人間の殺鼠行為から身を守ることができました。
その方法とは・・・、ぜひ、作品を読んでくださいね。

白い馬をさがせ」は、イギリスに実際にある白亜が馬の形に見える丘、その丘の近くに暮らす飼い主のもとに戻る冒険をする犬が主役のお話です。
シャムネコと伝書鳩と途中で出会う犬と一緒に自分の飼い主の家にたどり着くまでの冒険譚です。

動物が主役の本では、人間の罠にかかったりや狩猟の対象にされたりといったことも生々しく織り交ぜられるのも特徴ですが、今回谷口さんが紹介された2冊にもしっかり登場するそうです。