7月15日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の13箇所目は「ラツィオ」を取り上げました。

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ローマ文化発祥の地であり、古代ローマ帝国の中心地。キリスト教総本山・ヴァチカンを抱え、歴史と伝統を誇るローマを州都に持つラツィオ州は、イタリア半島のイタリア中西部にあり、西はティレニア海沿岸に面し、東部にはアペニン山脈が連なります。
「永遠の都」と呼ばれるほど歴史的遺産が多く、世界の芸術や文化遺産の30%はこの地にあると言われていて、世界中から多くの観光客が訪れる観光のメッカです。

そんなラツィオ州は、山岳地帯が26%、丘陵地帯が54%、平野部が20%で、イタリアでは比較的なだらかな地形。温暖な気候で葡萄栽培には格好な環境にあります。ローマを取り囲むように拡がる丘陵地帯は、火山によって発生した湖が点在しており、火山性の土壌を持つ土地が多くなっています。緑豊かで小麦畑と牧畜、斜面を利用して葡萄とオリーヴが栽培されています。気候は雨が少なく温暖で典型的な地中海性気候です。

長い歴史を持つラツィオのワインですが、早飲みできる軽快な味わいのタイプが多く生産されており、生産されるワインの40%がバルクワインです。
しかし、この20年ほどでそのスタイルもだんだんと変化しており、近年は、高品質なワイン造りにシフトする生産者も増えています。

ラツィオでは白ワインの生産量が全体の7割を超えています。その中でも、多くの人に愛されている有名な長い歴史を持つ銘酒が2つあります。一つは、詩人ゲーテが「楽園にいるようだ」とその酔い心地を讃えた「フラスカーティ」。もう一つは、命名に歴史的エピソードを秘めた「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」。です
フラスカーティ」は、ローマ帝国の初代皇帝であるアウグストゥス帝の時代にラツィオで造られ、多くのローマ人に愛され、16世紀にはローマ法王であるパオロ三世も好んで飲んでいたと言われています。

そのほか、ラツィオの固有品種である黒ブドウのチェザネーゼやネロ・ブオーノなどが栽培され、ほとんどがブレンド用に使用されています。
また、近年では、フランスのブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラー、カベルネ・フランから造られる「スーパー・ラツィオ」といわれる「スーパー・トスカーナ」に類似したワインも登場してきています。


今回はラツィオ州のワイナリーからワインを3種取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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