5月20日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の11箇所目は「マルケ」を取り上げました。

220520マルケ州ワインマップ

マルケ州は、しばしばブーツに例えられるイタリアのふくらはぎ辺りに位置する、かつては芸術文化が栄えた州で観光名所も多く、海と山の幸に恵まれた素晴らしい場所で生まれた食文化は世界中のグルメに大変人気な州です。

北はエミリア・ロマーニャ州、南はアブルッツォ州とラツィオ州、西はトスカーナ州とウンブリア州に接し、東にはアドリア海が広がっています。州の西側にはイタリア半島を南北に走るアペニン山脈があり、州の31%が山岳地帯で、残りの69%が丘陵地帯となっています。
「Marche(マルケ)」と言う州名は、ゲルマン語の「辺境」を意味する「Merk」に由来します。

マルケ州は風光明媚な景観だけでなく、古代から栄え続けた港町の州都アンコーナや、ルネサンス三大巨匠の一人ラファエロやロッシーニの生誕地で世界遺産にも登録されている芸術の街ウルビーノ、古代ローマ以前からこの地に暮らしていたピチェーノ人の都で城壁に囲まれた街アスコリ・ピチェーノなど、観光資源が豊富な州です。海岸線の一帯は、風光明媚な夏のリゾート地でもあります。

地中海性の温暖な気候に恵まれ、古くから土地利用が進み、葡萄だけでなく、オリーブや穀物(小麦)の産地として知られています。
 
ワイン造りは盛んで、DOC(G)ワインの生産は5%強で、20州の10番目。

マルケ州のワイン造りの歴史は長く、古代ローマ時代まで遡ることができます。州都アンコーナの港は古代ローマ時代から非常に重要な東方への窓口で、マルケには重要な街道が2つ(フラミニアとサラリア)も通っていました。ブドウ栽培もその時代から盛んに行われていました。
特にアドリア海の沿岸部は当時からワインの銘醸地として知られていたほどで、紀元前3世紀中頃から紀元前2世紀の前半には既にコーネロの赤ワインが親しまれていたと言われています。

現在、マルケ州のワインの生産量は赤・白ワインともにほぼ同程度となっていますが、欧米諸国への輸出が多い白ワインの方が世界的に知名度は高く、反対に赤ワインは知名度は低いもののクオリティの高いワインが多いです。

マルケ州では、イタリアの地葡萄が全体的に造られています。
白ブドウはトレッビアーノやヴェルディッキオ、黒ブドウはサンジョヴェーゼやモンテプルチアーノなど。どれも品種の特徴が出る葡萄で、イタリアらしさを味わえます。
また近年はマルケ州とアブルッツォ州で栽培されている土着品種のペコリーノやパッセリーナから、それぞれ単一品種100%の白ワインが造られるようになり、人気となっています。


今回はマルケ州の、注目のワイナリーのワインを3種取り上げました。
今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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