12月21日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は「学習漫画 世界の伝記NEXT」で谷口さんが監修・解説を担当された、「マリア・フォン・トラップ」でした。

マリア・フォン・トラップ」を始めとするトラップファミリーは、「サウンド・オブ・ミュージック」の元となった家族です。

ヨーロッパでクワイア(聖歌隊)として名を馳せていたトラップファミリーはナチスの誘いを断り、コンサートの依頼があったアメリカに渡る決意をします。
アメリカに渡った後、宗教音楽だけを歌うトラップファミリーのコンサートは段々とお客の入りが悪くなります。
新大陸アメリカの人々の好みの歌も取り入れ、ステージ衣装も聖歌隊仕様からファミリーの地元チロル地方の民族衣装に変え、お化粧もし、シンガーズとして活動をすることで、アメリカでも絶大な人気を誇る合唱団となりました。

コンサートの時に、お客さんとの距離を縮めるためにマリアが語っていた自分たちの経緯の話を「本に書きなさいよ」と勧められたことから執筆したのが「The Story of the Trapp Familiy Singers」です。

ドイツ語を公用語とするオーストリアから渡ってきたマリアが英語で書いた自分たち家族のストーリーを読んだドイツの映画会社がまずドイツ語で映画化します。
そのドイツ映画を観たアメリカのプロデューサーが英語でブロードウェイミュージカル化し、そのブロードウェイミュージカルがミュージカル映画化されました。

谷口さんが“サウンド・オブ・ミュージック”のマリアと接点を持つきっかけになったのは、大草原のローラのアメリカの研究者がふと
「私はマリアに会ったことがあるんだ」
と言った言葉から、でした。

谷口さんはトラップファミリーが経営していたロッジにも訪れ、現存されていたトラップファミリーの方とお会いし話をされました。
今回は、そんな貴重なお話もご紹介くださいました。

また、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の劇中歌の「ドレミの歌」の日本語“翻案”歌詞を作詞されたペギー葉山さんと直接お会いされたときにお聞きになった話もご紹介くださいました。

今回の茶論トーク中は、谷口さんがトラップファミリーのロッジで購入された実際のトラップシンガーズのクリスマスソングCDを掛けながら、開催いたしました。

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原作とミュージカルとの違い、
ミュージカルの劇中歌とペギー葉山さんが日本人のために翻案作詞した歌詞との違い、

それは違って当たり前のこと
そのことについても、谷口さんは茶論トークでご紹介くださいました。