3月26日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の3箇所目は「プーリア」を取り上げました。

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プーリア州は、イタリア半島南部、イタリアの形を靴に例えると、ちょうどかかとの部分に位置し、北にアドリア海、南にイオニア海に面する長い海岸線を持つ州です。この地は、古代ローマ時代にはギリシャへの通行路に当たっていた場所で、アッピア街道の終点のプリンディジ(Brindisi)と州都・バーリ(Bari)は、ギリシァ航路の基地として発展した町であると同時に、ナポリ、パレルモと共に、南イタリアの文化の中心でもあります。また、世界遺産のアルベロベッロがあることでも有名な州です。
1950年以降、農業改革地域に指定され、山岳地帯が殆ど無い地形がゆえに、改革が大規模に進められた結果、現在では灌漑が進み、イタリアの農産物の大供給地になっています。

温暖な気候というよりは暑く乾燥した地中海性気候で、山は少なく、広大な平野が広がっています。日照に恵まれたプーリア州では、ワイン用のブドウをはじめオレンジやオリーブ、穀物、野菜などの収穫量が多く、ブドウの収穫量はヴェネト州などと並んでイタリアではトップクラスです。

ワインの生産においては、州の全域でワインが造られ、シチリア、ヴェネトと並んで量産を誇っていて、ブレンド用のバルクワインを大量に輸出して「ヨーロッパワインの貯蔵庫」などと呼ばれてきました。しかし、ここ10年では生産者たちが意識改革し、品質の向上を目指すようになったことで、個性豊かでユニークなワイン造りが始まっています。

プーリア州はアリアニコやプリミティーヴォといった固有品種の宝庫であることから、たっぷりとした果実味を持つ濃密でエレガントなワインが多数生産されています。とは言え、DOCワインの生産は6%に過ぎません。D.O.C.G.は主に赤ワインとロゼワインで、タンニンが多くシルキーな味わいのものが多く生産されています。

プリミティーヴォは、イタリアの南部プーリア州を代表する主要品種として多く栽培されている品種です。
その起源はクロアチア原産のツーリエンナーク・カーステラーンスキー種というブドウが、2000年以上前にアドリア海を越えてイタリアに渡り、プーリア州を中心に南部で広く栽培され、「プリミティーヴォ」と呼ばれるようになりました。
また、19世紀初頭にハンガリー経由でアメリカにも持ち込まれ、カリフォルニアのナパやソノマで広く栽培されるようになり、アメリカでは「ジンファンデル」と呼ばれるようになりました。
このプリミティーヴォとジンファンデルは、30年近い議論の末、1990年代にDNA鑑定で同種であることが判明しました。


今回はプーリア州の生産者の中で、「サレント=安ワイン」のイメージから脱却するべく、土着品種を尊重し、高品質でエレガンスを感じる飲み飽きのこないワイン造りを目指して様々な試みを行っているワイナリーのワインを取り上げました。


今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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