6月23日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学は「ようこそローラのキッチンへ ーロッキーリッジの暮らしと料理ー」でした。

この本は「大草原シリーズ」のローラが大人になって夫のアルマンゾや娘のローズ、そしてパーティーのおもてなしに作ったレシピをまとめた英語の原書の翻訳です。
倹約家のローラらしく、カレンダーの裏紙などに書き記されたレシピのストックが、ローラの家で見つかってまとめられたのが原書。アメリカでのローラ研究家の第一人者の方が編集に携わったことで、料理のレシピにまつわるエピソードのエッセイがふんだんに入っているので、レシピ本としてだけでなく、読み物としてもとても充実した本になっています。

レシピ本の翻訳で苦労すること。
それは度量衡の違いに気をつけなくてはならないことです。

重さの単位が違ったり、一番は温度。
アメリカでは華氏が用いられているため、摂氏をつかっている日本人のためには換算し直さなくてはなりません。
また、アメリカの料理のレシピでは、薄力粉などはグラムではなくカップで書かれることが多いのですが、このカップの容量も日本と違っていたりします。

原書では、レシピのストックが本としてまとめられるのに、ローラの年の離れた友人のニータ・シールさんも多くの情報を提供してくださったそうです。

ちなみに、日本語版に盛り込まれているイラストは原書にはないそうです。

ローラが腕を振るっていた料理に興味のある方はもちろん、ローラが暮らしていたロッキーリッジの様子に興味がある方の読み物としてもお勧めの1冊です。