U_U 's blog

東京都文京区小日向のGalleria Caffe U_U(ユー)の日々を綴るblogです

谷口由美子

【Salone report】 2018.10.23 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日谷口さんがご紹介くださったお話は翻訳家「村岡 花子」です。

今年2018年10月25日は村岡 花子さんの50周忌に当たるのだそうです。
谷口さんは村岡 花子さんの講演会を聞かれたことがあり、その時、ご自分がお持ちの「Anne of Green Gables」にサインを入れていただいたそうです。

ドラマでも有名になりました村岡 花子さん。
ドラマでは脚色が施されている部分はありますが、海外渡航経験がないのに英語が堪能だったのは事実。
そして英文だけではなく、日本語の文学にも造詣が深かったそうです。

村岡 花子さんが翻訳作家への道を歩むきっかけとなったのは、森 鴎外翻訳によるアンデルセンの「即興詩人」を読んで感銘を受けたこと、とのこと。
翻訳本は“単なる言葉の写し替え” ではなく、“原書の持つ魔力を伝える本”であると思ったのだそうです。

谷口 由美子さんも常々「翻訳本は“原作のある日本文学”」と仰っています。
だからただ英語が理解できるだけでは翻訳はできない。

お話の中では、L・M・モンゴメリの原作の中の英語表現と、そして村岡 花子さんの訳を併せて紹介くださいました。
モンゴメリも言葉の“音(オン)”にうつくしさを表現していて、それをまた村岡 花子さんもしっかりと日本語で表現している。
村岡 花子さんの翻訳のすばらしさが今の日本の「赤毛のアン」に繋がっているのですね。

村岡 花子さんは人から勧められた本を訳すことは決してなかったそうで、自らが手に入れて「面白い」 と思った本を訳されていたそうです。つまり、「本の選択眼にも優れていた」翻訳作家だったとのこと。


また村岡 花子さんの「赤毛のアン」の中の“ミステリー”として紹介くださったのが、マシューが亡くなったあとの件で原作にはあるのに村岡 花子さんが訳していない部分があります。
それはある人物同士の関係の変化を表す部分なのですが、村岡 花子さんは訳していません。
その理由はわからないのだそうです。
翻訳は必ずしも“全文を完全に訳したもの”ではない“簡訳本”があります。
意図的なのか? 紙数の問題なのか? 謎に包まれたままとのこと。

またL・M・モンゴメリの“パットシリーズ”では、村岡 花子さんの訳では2作目が世に出ています。
今では少ないことですが、昔はシリーズものと知らずに原書を手に入れ訳すケースもあったそうです。
そして“パットシリーズ”の1作目に関しても、村岡 花子さんは訳に手を付けていたことが遺稿でわかっているそうです。その日付は1968年10月20日となっています。

原作のある日本文学を読めるのは、すばらしい感性をお持ちの翻訳作家のおかげなのですね♪ 

【Salone report】 2018.8.28 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日谷口さんがご紹介くださった英米児童文学はシド・フライシュマン作の「身がわり王子と大どろぼう」です。

シド・フライシュマンはたくさんの作品を世に出しているアメリカの作家。
特に1960年以降に児童文学を書いています。
少年時代に奇術に興味を持っていたという経歴の持ち主。
実にたくさんの面白い作品を生み出している作家です。

本作「身がわり王子と大どろぼう」は1986年の作品で、1987年のニューベリー賞受賞作品となっています。
原題は「The Whipping Boy」。

この本について、「この本に書いてあることは事実ですか?」という読者の質問に対して、シド・フライシュマンは
「この本は想像で書いた物語ですが、書いてあることは事実です」
と答えています。

“Whipping”とは“ムチで叩く”という意味。
“The Whipping Boy”はこの場合は「ムチで叩かれている少年」という意味になります。

中世の頃は、王族の子息に直接体罰はできないため、代わりに体罰を受ける少年が居たそうです。
本作の主人公ジェミーもそんなひとり。
勉強にやる気のない王子、そんな勉強をしない王子への見せしめとして代わりにムチで打たれるジェミー。
ジェミーの方がどんどん吸収し、字も書けるようになってしまいます。
そんな設定がストーリーの中でとても活きる冒険物語。
ちょっと抜けたどろぼうが出てきて、冒険を通じて王子も成長していき・・・といったお話です。


ストーリーや作者の紹介とともに、今日、谷口さんがお話になったのが「翻訳者を悩ますこと」。
それは、原作の中の方言のニュアンスをどう日本語で表現するか?といったことです。

「赤毛のアン」の翻訳をされた村岡 花子さん。
原作でマシューがよく口にする言葉“well...”を村岡さんは「そうさなぁ」と訳しています。
実はこれ、村岡さんの出身地の甲府の言葉なのだそうです。

言葉のニュアンスを違う言語でも感じさせる工夫。
これは翻訳者を悩ますことでもあり、腕の見せどころでもあるそうです。

特に児童文学は、「直に読んで面白いかどうか」がとても大切な文学作品。
解説や注釈に頼らずに、面白さが伝わることが求められるそうです。

原作のある日本語文学。
それが翻訳本なのです。


【Salone report】 2018.6.12 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日谷口さんがご紹介くださった英米児童文学はルイザ・メイ・オルコット作の「若草物語」です。
「若草物語」は4巻ありますが、その第一巻である「Little Women」は1868年に出版されています。
つまり、今年は「Little Women」出版150周年の記念年にあたります。

ちなみに「若草物語」という書名は、矢田津世子さんによる翻訳の時、初めて使われたそうです。
この本の初版発行は1934年で、キャサリン・ヘップバーン主演による映画「若草物語」の日本公開に先がけて出版された本のタイトルです。
日本で最初に翻訳本が出版されたのは、良家の3人の女性の合作(北田秋圃はその3人の名前からそれぞれ一字をとって付けたそうです)で1906年(明治39年)に、『小婦人』の名で翻案のカタチで出ています。

「Little Women」は、19世紀後半のアメリカを舞台に、ピューリタンであるマーチ家の四人姉妹を描いた物語で、「Little Women Married, or Good Wives」、「Little Men」、「Jo's Boys」と続き、姉妹の成人・結婚やその後の生活が描かれています。

原題となっている「リトル・ウィメン」はルイザの父親が実際にルイザを含む4姉妹の娘たちを呼称するのに用いた言葉で、単なる幼い少女ではなく一人の立派な女性であるという意味合いで用いていたそうです。
このように、「若草物語」のシリーズには、ルイザが経験したさまざまな自伝的要素が散りばめられています。
ルイザ自身も4姉妹の次女で、その性格は話の中のJoに色濃く反映されています。
また、実際に若くしてなくなった3女のベスだけは話の中でも“ベス”の名前で描かれています。

ルイザは2度の渡欧経験があるのですが、その一回目は1865年、ルイザは従軍看護婦の仕事の経験もあることから、良家の娘さんが渡欧する際の付き添い看護婦として渡欧しています。

その時にスイス レマン湖のほとりで宿泊していた時にポーランド人の青年と出会っています。
その経験は、作品中で4女エイミーと結局は結婚するローリーに反映されているそうです。

谷口さんが監修された「若草物語―ルイザ・メイ・オルコットの世界」は、「若草物語」の著者ルイザ・メイ・オルコットの生涯を豊富な写真や資料で紹介しています。
その中では、ルイザの日記や手紙からの引用も含まれているのですが、ポーランド青年とのロマンスはルイザが存命の時に処分をしてしまっているために、秘されているそうです。

今年出版150周年を記念して、谷口さんの訳による「若草物語」の愛蔵版が出ることになっているそうです。


【Salone report】 茶論トーク 英米児童文学の愉しみ

本日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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本日はまず、2017年の12月に谷口さんの翻訳で出版された「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」に関連した動きのお話から始まりました。

出版後、今年の2月には教文館でイベントを開催されたり、新聞などで取り上げられたり、注目を集めている「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」。
5月には増版も決まったそうです。
そして今後も各地でイベントが開催されていくそうです。

そして、本日谷口さんがご紹介くださった英米児童文学はキャロル・ライリー・ブリンク作の「小さいママと無人島」です。
原題は「Baby Island」 、1937年に出版された本です。

この本の主人公は12歳と10歳の赤ちゃん大好きな姉妹。
この姉妹が父の居るオーストラリアへと、アメリカから乗船した船が嵐に遭遇
2歳から4ヶ月の4人の乳幼児とともに無人島に漂着するというお話。

この話は、作者のキャロル・ライリー・ブリンクさんがまだ子供だった頃は、近所の赤ちゃんを預かってあやすということが日常的だったことがベースになっています。
そして本が出版された1937年当時のアメリカでは、そのような光景が少なくなってきていたそうです。
12歳の女の子は兄弟姉妹ではない赤ちゃんの面倒をみることができる。
そんなメッセージも込められた作品なのでしょうか?

子供たちだけで無人島でどうやって暮らすのか?
それは本作を読んでいただくとして、今回のお話では「翻訳苦労話」を紹介くださいました。

「英米児童文学の愉しみ」でも何度か話題になっていますが、英米児童文学は時に原作をそのまま訳せない場合があります。 
時代背景の違いなどもあるのかもしれませんが、特に子供向け文学では「言葉の表現」が難しい場面がしばしば登場するそうです。

「知る」ことで「そうよね」と理解する人もいる一方で、「書いてあることをそのまま受け取ってしまう」人もいる。
それが懸案となって、言葉選びが慎重になってしまうことも、時には本の内容に変更が加えられることもあるそうです。

ただ、「理解する」ためにはまず「知る」ことから始まるのも事実。
たくさんの多様な文学と出会うことも、多様な世界を理解する一助になると思います。 

【翻訳家 谷口由美子の茶論トーク】 2018.4.24 お話づくりの名手キャロル・ライリー・ブリンクの新訳本です

「大草原の小さな家」シリーズをはじめ、「赤毛のアン」、「若草物語」、「サウンド・オブ・ミュージック」など、時代を超えて今なお読み継がれるあまたの英米児童文学。
その多くの英米児童文学の翻訳をされている谷口 由美子さんにお越しいただき、それぞれの作品にまつわる魅力的なエピソードをお話いただくお茶会、それが
翻訳家 谷口由美子の茶論(サロン)トーク 英米児童文学の愉しみ
です。


物語の世界と実際の原作者の生活との関係性や、
舞台化または映画化されるにあたって変更された部分やその理由などなど。
今でもその瑞々しい魅力を持ち続ける英米児童文学を、もっともっと読んでみたくなる♪
そんなお話に溢れるお茶会です。
大人の方はもちろん、これから英米児童文学に出会うお子さんにも参加して頂きたいお茶会です。


次回は、4月24日 14:00 から、「小さいママと無人島」です。

お話づくりの名手、キャロル・ライリー・ブリンクの新しい訳本「小さいママと無人島」。
無人島?
小さいママ?
どんなお話なのでしょう?
谷口さんがたっぷりとお話くださいます。

参加費 ¥2,000+カフェオーダー
U_U サポーター'sチケットご利用の方 ¥1,500+カフェオーダー

お問い合わせまたはお申し込みは、03-3944-2356 ガレリア カフェ ユウにお電話いただくか、もしくは[u_u_info]宛てにメールにて、ご一報くださいませ♪

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