本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

7月からは新たに、地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしていきます。
12月は「ワイン発祥の地4」として、該当地域の3種類のワインをセレクトしました。

その国とは「ギリシャ」です。

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人類が生まれる前からワインができていた場所:ジョージア(旧グルジア)
人類が葡萄の樹を植樹してワインを造り始めた場所:トルコ(旧アルメニア)
人類がワインを商品として生産し始めた場所:レバノン&イスラエル

と段階を経たワイン発祥の地巡り。
ギリシャは、今の世にも続く“ワイン文化”が築かれた場所です。

ワイン造りは、フェニキア人の手によって、オリエントから古代ギリシャ世界へ伝播しました。その時期は紀元前2000年頃であるとされています。古代ギリシャ世界では盛んにワイン醸造が行われ、ギリシャ人の活動とともに地中海に広まりました。
エジプトで神や王族のものだったワインは、紀元前1500年頃、クレタ島などエーゲ海の島々に広まってから、一般化したと考えられています。

ギリシャ人は空気を遮断するアンフォラという陶器でワインを保管、運搬していました。
内側に松脂を塗り木材で蓋をし、松脂で封をしました。この松脂がワインに溶け込み、ギリシャ独特のレッチーナが生まれました。
また今日のワインラベルのようなものも使っていました。アンフォラは2つの取っ手がある様々な形をしていて、どこが産地であるか特定できるようになっていました。またヴィンテージの記載もあり、両方の取っ手には生産者のスタンプと生産地域の支配者のスタンプが押されていました。そして、アンフォラで保管することによって長期間熟成することが可能でした。
タッソス島には、紀元前4世紀のものとされる大理石のプレートがあり、ワインの生産者と消費者を保護する初の法律が刻まれています。タッソスのワインを他のものと混ぜ合わせることを防ぐためのものだといわれています。
これらはワイン法であり、現在の原産地管理統制名称の基礎というべきものです。

古代ギリシャにおいては、ワインに毒が入っていないことを証明するためにディナーのホストが最初の一杯を飲んでいました。つまり”皆さんの健康のために”というフレーズはそこから来ています。”乾杯”そのものは、古代ローマ人がそのギリシャのやり方を続けていた時に始まりました。

世界で最初にソムリエという職業(エノホイ)が誕生したのもギリシャで、ギリシャはワイン文化誕生の国として知られています。 


ギリシャを形づくる半島と一連の島々は、地中海性気候で冬は暖かく、夏は乾燥した亜熱帯性気候です。
ギリシャは葡萄品種のバラエティが実に豊かで、固有品種だけでも300種にのぼり、その中には古代から伝わる貴重な品種も数多く見られます。
世界の著名なワイン評論家の多くがこれらの固有品種こそがギリシャワインのマーケットにおける強みであると考えています。
同時によく知られた国際品種葡萄も作られています。このようなバラエティに富んだ葡萄とマイルドな気候、たっぷりな日照量、少ない降水量、そして肥沃な土壌のコンビネーションがギリシャを高品質のワインを作るのに最適な環境にしています。

本日セレクトしたワインも、ギリシャの重要な固有品種を使い、そのすばらしいポテンシャルを存分に引き出したワインばかりでした。

本日テイスティングしましたワインのノートは下記のとおりです。 
 
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