本日は、2月の「浮世絵版画展」でご協力いただいております「高橋工房」の六代目高橋 由貴子さんによります「浮世絵レクチャー」を開催いたしました。
参加くださいました皆さま、ありがとうございます。 


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「高橋工房」さんは文京区水道で安政年間創業、江戸木版画「摺師」として六代目、四代目からは「版元」として江戸木版画の文化を支え続けています。


今回は「歌川広重”江戸百景”」の展示の中で開催となりました。

高橋さんのレクチャーは、浮世絵研究家としてではなく、「摺師」「版元」という“職人”としてのレクチャー。
ですので、江戸木版画が、どういった道具で、どういった技法でなど、いかにして創られているのか?を識ることができます。

レクチャーでは、木版の彫り、そして摺りの手順を紹介した映像を見たり。
木版画の道具や、木版を触ったり。

そして、メインイベント。
なかなか機会のない、浮世絵の裏側から見たり、実際に触ってみることもさせていただきました。

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そして肉筆画に近いカタチで仕上げる「京版画」とは違い、「江戸版画」は和紙の繊維の中に絵の具をきめこむ、つまり摺り込んでいくのが特徴。
ほかにも、「江戸版画」は紙の白をそのまま活かしたりという特徴もあります。

さらには裏から版木に押し込んで立体的に仕上げる「きめ出し」や、雲母を摺りこんだ「キラ摺り」、そして木綿の布目を摺りこんだ「布目摺り」など、手に取って愉しめる技法が編み出されました。

なので、額装されたガラス越しでは伝わらない魅力が浮世絵版画にはあり、このレクチャーではそれを体感していただきました。

一点ものの肉筆画の「浮世絵」と違い、「浮世絵木版画」は町人のために安く大量に摺ることを目的に創られたもの。
その主題も、流行の旅の場所だったり、美人の絵だったり、歌舞伎の役者や相撲の力士だったり、浮世絵木版画は、当時の最新情報誌の役割を担っていました。
だから情報が古くなったら、反故する人も多かったのですね。

また人気があれば重版もされていたのだと思います。
それ故に、版画ですが、いわゆる「ナンバリング」がないのも特徴。
まさに「情報誌」であったとのこと。
それゆえ、価格も16文に抑えること、と幕府からのお達しもあったそうです。

それにしても、その色鮮やかさ、さまざまな技法・・・。
時の外国人だけでなく、今の私たちも驚くばかりです。