本日は、2月の「浮世絵版画展」に関連して開催しましたスペシャルサローネ“独り寄席 小畑和彦「ギター&落語」”を開催しました。
参加くださいました皆さま、ありがとうございます。
江戸の落語は文化・文政期(1804年〜1830年)に隆盛を極め、文政末期には125軒もあったというの寄席。
今も連綿と受け継がれる寄席では落語だけではなく、講談、漫才、漫談、音曲、手品、曲芸など、バラエティーに富んだプログラムになっています。
小畑 和彦さんは、オーソドックスなジャズからブラジリアン、ワールドミュージックまで、幅広い音楽活動を続けている日本のトップギタリストの一人。
でありながら、「六弦亭 音生」の名で落語も掛けられます。
小畑さんのソロギターライヴと落語を両方いっぺんに愉しむ、題して「独り寄席」を行っていただきました。
「独り寄席」は2部構成。
1部は小畑 和彦さんのソロギターライヴ。
ジョニー・ミッチェルの名曲「Both Sides, Now」 でオープニング。
歌の持つ繊細でうつくしいメロディーが、小畑さんのギターの音色で聴くとさらにまたうつくしく響きます。
続いて、スコットランドにルーツを持つイギリスのバラードからアイリッシュソング、ブラジル音楽と、幅広い音楽活動を行うギタリスト小畑さんの真骨頂を愉しませてくださいました。
また、現在の浮世絵版画展「富嶽三十六景」で展示しているひとつ、「穏田の水車」にちなみまして、渋谷川の支流の一つの風景が歌われた童謡「春の小川」 も演奏されました。
ベースとメロディーとコード。このすべてを同時にループマシンを多用することなく演奏する、まさに名人技!
ひとりでトリオ演奏を聴いているようです。
幕間を挟んでガラリ。
六弦亭 音生さんの登壇です。
音生さんは、古今亭 志ん生さんを敬愛されていて、志ん生さんが得意とした噺を掛けられます。
今回掛けられたのは「替わり目」 。
酒飲みの亭主、そしてそんな亭主を甲斐甲斐しく世話する奥さん。
そんな奥さんについつい悪態をついてしまう、けれども本当は・・・
志ん生さんと同じく、音生さんもステキなところで噺を下げられました。
さらに二席目。噺は「あくび指南」。
あくびとはあの“あくび”のこと。
そのあくびを指南する場所ができたので稽古をつけてもらおうという主人公とそれに無理やり付き添わされた友だち。
指南所に入ると、なんでもあくびには「春夏秋冬」があって・・・
この頃は、町人もいろんな習い事をしていたことが偲ばれるお話でした。
「独り寄席」では、食でも寄席の雰囲気を愉しんでいただこうと、「助六弁当」を付けて開催しました。
「助六弁当」は歌舞伎「助六所縁江戸桜」にちなんで生まれた江戸の弁当、とのこと。
助六の愛人“揚巻”の揚(あげ=揚げ=油揚げ=いなり寿司)と巻(まき=海苔巻き)の組み合わせが由来だとか。
来場くださいました皆さまにとともに、江戸から続く文化「寄席」のひとときをシェアできましたことに感謝致します。
5. 春の小川
6. Regra Três
7. Samambaia
8. Passadouro