本日は、「ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

7月からは新たに、地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトしていきます。
10月は「ワイン発祥の地2」として、該当地域の3種類のワインをセレクトしました。

その国とは「トルコ」です。

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ジョージア、トルコ、アルメニアの国境周辺からは、多くのワイン醸造の遺跡が発掘されています。古代のアルメニアは、現在のアルメニアよりもはるかに広大で、東トルコ、アゼルバイジャン、黒海とカスピ海の間のジョージアを含んでいました。この一帯は、最古の葡萄栽培の地であると考えられています。
中でも小アジアにあるアララト山は、トルコ東部に位置し、おそらく葡萄栽培の起源であるであろうと目されています。

トルコの葡萄生産高は、世界第6位(2012年)。およそ1200種もの葡萄が生産可能なトルコには特産葡萄種も多く、ワイン造りに適した土壌と気候がそろった国だと考えられます。

元々トルコは干し葡萄生産で世界トップ。さらに中央アナトリアではペクメズと呼ばれるブドウシロップも古くから食されており、トルコ伝統料理やお菓子にも葡萄が多用されています。トルコ人に人気のお酒、ラクも原料は葡萄。歴史や文化を通して、葡萄はトルコ人に愛されてきました。

しかしトルコで生産された葡萄のうち、ワインになるのはほんの3~11%程度。基本的にトルコ国民の9割がイスラム教徒で、アルコールにかかる税金が高いという状況もあり、これまでトルコ人のワイン消費量はあまり多くないのが現状でした。
 
しかしここ数年、トルコ経済の成長と共に若い世代や企業家の間でワイン人気が高まってきており、質のいいワインを作ろうという国内ブランドが増えています。とりわけ裕福層でワインを極めようとする人々も多く、国内ワイン消費の97%は地元トルコ産。トルコのワイン輸出量は毎年のように増加しており、今後世界的にもトルコワインへの注目が高まりそうです。

今回取り上げたワイナリーは、観光の名所「カッパドキア」近郊で、昔ながらの甕仕込み生産法でワインを造る「ゲルヴェリ」です。
ワイナリーの醸造家、ウド・ヒルシュはドイツに生まれ、35年以上にわたり、様々な国でWWF世界野生生物基金の仕事に携わってきた自然保護運動家の科学者です。仕事は多岐にわたり、そのうちの一つは天然資源の保護と、これらの資源の伝統的な活用を、継続的な方法で復活させる仕事で、現在もその仕事を続けています。

今回はゲルヴェリの3種類のワインをテイスティングしました。
「コク・ウズム」は白葡萄品種で造られているのですが、古いワインのような色、そして香味のワインでした。
テイスティングコメントには、「昆布」「魚介の香り」「いぶりがっこ」といった、普段聞き慣れないコメントがあがりました。

「カレチ・カラス」は、トルコの老舗ワインメーカー、カヴァックルデレ社とアンカラ大学の研究で絶滅の危機からよみがえった幻の品種です。アナトリア中部でとれる、最も上質のブドウとも言われており、バランスのいい味が特徴です。

本日テイスティングしましたワインのノートは下記のとおりです。 
 


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