ジャズドラマーとして活躍されながら、国立音楽大学にてジャズ史の教鞭もとっている高橋 徹さんによります「ジャズ歴史講座」♪
5回シリーズの五回目を本日開催いたしました。
参加くださいました皆さま、ありがとうございます♪ 
 
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今回のテーマは「「アコースティック回帰と流行のない時代へ」1980~2000」でした。

前回の講座では、ビッチズブリューをスタートとしたエレクトリックジャズの時代の話でした。
視聴者の心を掴んでいたロックの要素とジャズを融合させた時代。
フュージョンやクロスオーバーギターサウンド、そしてフリージャズ。
ミュージシャンで言えば、オーネット・コールマン、パット・メセニー、スタッフ、ブレッカーブラザーズなどの音楽が影響を持っていた時代。

その1980年に、「アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャー」に加わった若干20歳そこそこのミュージシャンが現れます。それがウィントン・マルサリス。
「ジャズは先人の音楽をリスペクトすべし」と提唱し、ルイ・アームストロングやデューク・エリントン、初期のマイルス・デイヴィスのサウンドへの回帰を打ち出しました。

そんなウィントン・マルサリスを時代もバックアップします。
1982年、新たな音楽フォーマットとしてCDが世に出ます。
新譜録音よりも旧譜再発の方がコストがかからないので、大手レコード会社はこぞってアコースティック時代のアルバムをCDフォーマットでアルバムリリースをします。

また1995年は、それまでジャズがヴェテランから若手ミュージシャンへの伝承芸能的要素があったのが、音楽大学で教育を受ける時代になった、と高橋さんはおっしゃいました。

PCの出現でエフェクターなど電子機器はさらなる発展を遂げている時代。
これからも新たな表現を試みるジャズミュージシャンが現れるでしょうが、かつてのように、みんながこぞってフォロワーになって「流行」を産み出す時代とは、今現時点ではなっていないのが実情とのこと。

またこの時代の注目ミュージシャンとして高橋さんがご紹介くださったのが、
ピアニストのスタイルを変えた Brad Meldau。
そしてその後のテナー奏者の指針となった Mark Turner。

20世紀初頭に生まれたジャズの歴史を5回で追った「ジャズ歴史講座」。
各スタイルは時代と、そしてそれまでの流れと、とても密接な関係にあることが分かりました。
そしてそれとともに理解することで、ジャズのスタイルの違いもよく分かりました。

好評をいただいた「ジャズ歴史講座」。
また新たな形で・・・?