本日は、翻訳家 谷口 由美子さんより、英米児童文学の古典的名作の魅力をお聴きするお茶会「茶論トーク 英米児童文学の楽しみ」を開催致しました♪
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪
本日は、ベバリー・クリアリーの作品の中で、谷口さんが翻訳をされた「子ねずみラルフシリーズ」と「リー・ボッツ少年の心の成長を描いた2作シリーズ」のお話をしてくださいました。

※作者は「ビバリー・クリアリー」として表記されることがありますが、谷口さんは英語発音に忠実な表記として「ベバリー」を使用されています。
司書として働いていたベバリー・クリアリーは、当時「道徳的なもの」や「偉人伝」といったカタイ児童文学ばかりで、自分が読んで楽しい本がなかったことから、自分で書くようになったそうです。
「子ねずみラルフ」のシリーズは、子ねずみのラルフと言葉を交わすことができる少年(3冊とも主人公は異なります)との交流が描かれたファンタジー作品です。
3作品の主人公の共通項は、「大勢の中にいるのは苦手だけど、心を打ち明けられるような親友が一人・二人欲しいと願う寂しがり屋」という点です。
ファンタジー溢れる内容の本。
でも現在は、1作目の「子ねずみラルフのぼうけん」だけが出版されている状況です。
面白かったのは、3作目(邦題は「子ねずみラルフ 家出する」)の日本語版、アメリカ版(オリジナル)そしてイギリス版のそれぞれの表紙絵の違いを見せてくださったことです。

イギリス版の表紙絵は、イギリスの方にとってはこちらの方が「手に取ってみたい」と思うデザインなのだそうです。国民性の違い、でしょうか?
この本に限らず、アメリカ版とイギリス版では、単語のスペルだけではなく、ちょっとした部分の名前が変えられたりするそうです。
なので原書を読んでみたい方は、その作品のオリジナルの国の版を読むことを、谷口さんはお薦めされていました。
『ヘンショーさんへの手紙』、『リー・ボッツの日記』は、リー・ボッツ少年が主人公のお話。
この作品を谷口さんが訳されるきっかけとなったのは、谷口さんがカリフォルニアに出かけ、実際にベバリー・クリアリーさんに会ってお話をされていた時のことだそうです。
ベバリー・クリアリーさんの元には、両親が離婚した家庭環境の子供たちから「両親が離婚した子供の話を書いて」というファンレターがたくさん来ていたそうで、それでこのリー・ボッツ少年の話を書いたそうです。
ニューベリー賞受賞作品にもなった『ヘンショーさんへの手紙』では、「著名人に手紙を書く」という学校の宿題としてリー・ボッツが作家ヘンショーさん宛に手紙を書いたのを機に始まったリー・ボッツが7歳から12歳までの間の手紙文学。
そして、『リー・ボッツの日記』はリー・ボッツが14歳から付け始めた日記の日記文学です。
それぞれ、手紙、日記に書くことで自分を見つめ直し、やがて心の成長につながっていくことを描いた作品です。
この2作品は再版は現在されていない状況だそうです。
経営的なことなど諸々の事情があるのでしょうが、名作とされる文学作品は流行り廃りではなく、ましてや売れる売れないではなく、いつの世でも読まれる環境であって欲しい。
そう思うこと、しばしばです。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪
本日は、ベバリー・クリアリーの作品の中で、谷口さんが翻訳をされた「子ねずみラルフシリーズ」と「リー・ボッツ少年の心の成長を描いた2作シリーズ」のお話をしてくださいました。

※作者は「ビバリー・クリアリー」として表記されることがありますが、谷口さんは英語発音に忠実な表記として「ベバリー」を使用されています。
司書として働いていたベバリー・クリアリーは、当時「道徳的なもの」や「偉人伝」といったカタイ児童文学ばかりで、自分が読んで楽しい本がなかったことから、自分で書くようになったそうです。
「子ねずみラルフ」のシリーズは、子ねずみのラルフと言葉を交わすことができる少年(3冊とも主人公は異なります)との交流が描かれたファンタジー作品です。
3作品の主人公の共通項は、「大勢の中にいるのは苦手だけど、心を打ち明けられるような親友が一人・二人欲しいと願う寂しがり屋」という点です。
ファンタジー溢れる内容の本。
でも現在は、1作目の「子ねずみラルフのぼうけん」だけが出版されている状況です。
面白かったのは、3作目(邦題は「子ねずみラルフ 家出する」)の日本語版、アメリカ版(オリジナル)そしてイギリス版のそれぞれの表紙絵の違いを見せてくださったことです。

イギリス版の表紙絵は、イギリスの方にとってはこちらの方が「手に取ってみたい」と思うデザインなのだそうです。国民性の違い、でしょうか?
この本に限らず、アメリカ版とイギリス版では、単語のスペルだけではなく、ちょっとした部分の名前が変えられたりするそうです。
なので原書を読んでみたい方は、その作品のオリジナルの国の版を読むことを、谷口さんはお薦めされていました。
『ヘンショーさんへの手紙』、『リー・ボッツの日記』は、リー・ボッツ少年が主人公のお話。
この作品を谷口さんが訳されるきっかけとなったのは、谷口さんがカリフォルニアに出かけ、実際にベバリー・クリアリーさんに会ってお話をされていた時のことだそうです。
ベバリー・クリアリーさんの元には、両親が離婚した家庭環境の子供たちから「両親が離婚した子供の話を書いて」というファンレターがたくさん来ていたそうで、それでこのリー・ボッツ少年の話を書いたそうです。
ニューベリー賞受賞作品にもなった『ヘンショーさんへの手紙』では、「著名人に手紙を書く」という学校の宿題としてリー・ボッツが作家ヘンショーさん宛に手紙を書いたのを機に始まったリー・ボッツが7歳から12歳までの間の手紙文学。
そして、『リー・ボッツの日記』はリー・ボッツが14歳から付け始めた日記の日記文学です。
それぞれ、手紙、日記に書くことで自分を見つめ直し、やがて心の成長につながっていくことを描いた作品です。
この2作品は再版は現在されていない状況だそうです。
経営的なことなど諸々の事情があるのでしょうが、名作とされる文学作品は流行り廃りではなく、ましてや売れる売れないではなく、いつの世でも読まれる環境であって欲しい。
そう思うこと、しばしばです。