本日14:00からは、翻訳家 谷口 由美子さんによります「茶論トーク 英米児童文学の楽しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

本日ご紹介いただきました英米児童文学は「若草物語」でした。
今回もたくさんの資料をもとに、作品の背景や作者 ルイザ・オルコットの紹介をしていただきました。

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「若草物語」は原題は「Little Women」。
作品としては、父が南北戦争に従軍牧師として不在の中、母と4姉妹で慎ましく暮らす様子が描かれた第一巻、そして4姉妹のそれぞれの結婚に至る様子が描かれた第二巻、が有名ですが、全部で4巻あります。

作品が出版されたのは1868年が最初。日本では明治元年のこと。
物語は作者 ルイザ自身の自伝的内容をベースにしたフィクション。ルイザの母の姓が「May(5月)」なので、物語のファミリーネームは「March(3月)」にされ、4姉妹の名前もそれぞれルイザの姉妹の名と関連性があるそうです。

日本語訳は明治39年に「小婦人」の名で出たのが最初とのこと。
当時は翻案という手法がとられ、外国人の名前を日本人の名前に変えて訳されました。
この方が当時の日本人には受け入れられたのだそうです。
マーチ家は「マーチング」=「行進」から「藤家」となり・・・など当時の翻案の工夫も紹介いただきました。

「若草物語」の映画はエリザベス・テイラーがエイミー役で出演した1949年のものが有名です。
ちなみにこの映画はハリウッドの初のカラー作品で、そのためキャストとしてエリザベス・テイラーをどうしても起用したかったため、エリザベス・テイラーの年齢的なこともあり、本来は4女であるエイミーが3女に、3女のベスが4女として製作されたそうです。
この映画の前に、次女ジョー役にキャサリン・ヘップバーンが起用された1933年の作品があります。
この映画は1934年に日本に入ってきたのですが、この時、1933年版映画『若草物語』が日本で上映ましたが、この時期に、作家の矢田 津世子さんが、少女画報社から『若草物語』のタイトルで翻訳を出し、以降この名前が定着しました。

今回は、その2つの映画のDVD映像も拝見しました。

若草物語はそのものを読んでも、もちろんすばらしい作品ですが、ルイザ・オルコットの自伝を読むと、例えば、なぜジョーがドイツ人の先生と結婚したのか、といったことが紐解けて、さらにその作品世界が楽しくなるようです。

ぜひ、皆さんももう一度「若草物語シリーズ」を読んでみませんか?