4月16日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

2021年1月より、「イタリア」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。

アルプス山脈の南側から地中海に張り出した細長い地形のイタリアは、温暖で日照にも恵まれ、ブドウ栽培に適した環境であるため、国土のほとんどの地域で昔からワインが造られてきました
イタリアワインの魅力はなんと言ってもその多様性500種を超えると言われる土着品種に特化したり、国際品種を上手に取り入れながら、多様な気候と相まって土地の個性を表現したワインが生み出されています。

イタリアワイン産地を巡る旅の4箇所目は「アブルッツォ」を取り上げました。

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アブルッツォ州は、イタリア半島中部に位置し、西にアペニン山脈を背負い、東はアドリア海に沿った比較的南北に長い州です。西はラツィオ州、南はモリーゼ州、北はマルケ州に接しています。
海あり、山ありと大自然いっぱいのアブルッツォ州はその3分の2が山岳地帯で、残りも丘陵地帯で、平地はわずか1%しかありません。
アブルッツォ州はアペニン山脈の最も険しい部分にあたり、グラン・サッソ山(2914m)やマイエッラ山(2795m)が堂々たる山容を見せています。

 アブルッツォ州は中央イタリアに位置していますが、1860年にイタリア王国に統一されるまではナポリ王国の領土であったため、歴史的にも文化的にもイタリア南部に近いと言えます。
ローマからの高速道路が整備されてからは、ウインター・スポーツを中心に観光客が訪れるようになり、ローマっ子のスキー場となっています。また、リゾートの“山派”にとっての避暑地ともなっています。

アブルッツォ州のブドウ畑は海と山に挟まれた丘陵地帯に広がっています。穏やかな気候の土地であることから、古代ローマ以前のエトルリア人によって始められたと言う古い葡萄栽培の歴史があります。DOC(G)ワインの生産は8.7%で、20州の5番目と少ないですが、だからといって、他の州よりも劣っているというわけではありません。

基本的に夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が多い地中海性気候ですが、内陸部の標高の高いエリアは冷涼です。ただ、アドリア海から内陸に入るとすぐに丘陵地帯で、30〜50kmで山岳地帯となるため、ほとんどのブドウ畑は海と山の両方の影響を受けます。

アブルッツォ州はもともとブドウ栽培に適したテロワールのため、それほど努力しなくても良いブドウが栽培できました。多くはバルクワインとして州外に売りに出され、長年にわたり質より量を重視したブドウ栽培が行われてきたのです。

しかし近年は、自ら瓶詰めするドメーヌ型ワイナリーが増え、豊かな自然を背景に、テロワールを全面に打ち出したワインが造られるようになってきました。


州を代表するワインは、モンテプルチァーノ・ダブルッツォトレッビアーノ・ダブルッツォで、日本でも人気のワインです。
 アブルッツォ州のブドウ栽培面積のおよそ8割をモンテプルチャーノ種とトレッビアーノ種の2種が占めていますが、最近はペコリーノやパッセリーナといった固有品種の栽培が増えつつあり、それらから造られる単一品種のワインが注目されています。

今回はアブルッツォに滞在し、活動したドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイスが提唱したアブルッツォの自然を守る運動がきっかけとなってビオ、あるいはビオディナミでワイン生産を続けるワイナリーのひとつのワイン3種を取り上げました。


今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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