8月25日は、翻訳家 谷口 由美子さんが自ら手掛けられた英米児童文学の魅力をお伝え下さる茶論(サロン)トーク、「茶論トーク 英米児童文学の愉しみ」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

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今回、谷口さんが取り上げました英米児童文学のタイトルは「“オルコットがさらに楽しくなる本2冊”のお話です」として、オルコットに関するご本が紹介されました。

日本でも上映が解禁された新作映画「若草物語」。あたらしい映画では、作者ルイザ・メイ・オルコットと作中のジョーとがオーバーラップされるような作りとなっていました。その映画のセリフでは、オルコットを敬愛する物語作家 ノーマ・ジョンストンが書き、谷口さんが訳された「ルイザ ー若草物語を生きた人」でも取り上げられているオルコットの日記や手紙に残されている言葉も、映画のセリフとして使われているそうです。

そんなオルコットの代表作となっている「若草物語」。それ以外にも、ステキな物語がありますが、そのひとつ「8人のいとこ」の続編の出版が決まって、いま、谷口さんは出版者の方とその仕上げにかかっていらっしゃいます。その内容、そしてタイトルにまつわる話を、お伝えくださいました。

若草物語」、「8人のいとこ」に共通するのは、ヨーロッパの香りに満ちている児童文学であること。
それはオルコット自身が2度渡欧している経験があることもありますが、多くのアメリカ国民にとって、ヨーロッパは自身のルーツの国がある場所。いつか訪れてみたい場所ということもあって、ヨーロッパから移民してきたアメリカ国民の心を惹きつけるものである、とのことです。

そんなこれからの愉しみとなるオルコットの作品のほかに、谷口さんがご紹介くださったが“オルコットがさらに楽しくなる本”があります。

まずひとつめは、谷口さんが訳されたジェイン ラングトン著の「大空(そら)へ―ジョージーとガンの王子」 。
この本の作者は、オルコットが暮らした場所でもあるアメリカ文学史の聖地とも言える町マサチューセッツ州コンコードのほど近くに住んでいて、この作品もコンコードが物語の舞台となっています。その作品中には、オルコットのことを知っている人にはたまらないエピソードが織り込まれている、そんな作品です。

もうひとつは、こちらはまだ訳本が出ていない作品「Lotta's Progress」。
作者は「ルイザ ー若草物語を生きた人」を書いたノーマ・ジョンストン。
なんと、この作品中はルイザをはじめ、オルコット家族が実名で登場し、主人公のロッタと交流しているのです。
この作品が翻訳されて日本文学として読める日が訪れることを、ぜひ待望しましょう♪