8月は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催しました。
テイスティング下さいました皆さま、ありがとうございます♪

ただいま、「フランス」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。
フランスの“ワイン産地”にフォーカスして、さまざまなフランスワインの産地を巡っています。

フランスワイン産地を巡る旅の第11回目は「トゥーレーヌ」でした。

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フランスワイン産地を巡る旅の第9回目からは「ロワール」に入っています。
ロワール河は、フランス中央山塊に源を発して北上、パリの南西方向に100Km離れたオルレアンの町で大きく西に向きを変え大西洋に注ぐ、約1,000Kmのフランス最長の大河。その大河流域周辺一帯の産地を総括して呼ばれるのがロワール地方です。
日本で言えば、関東地方ほどの面積の地域に、60を超えるアペラシオンが存在し、ブドウ品種もシュナン・ブランやカベルネ・フラン、ミュスカデ・・・など、多品種から多彩なワインが生み出されています。

ロワール河流域のワイン産地は通常、河口周辺のナント周辺地区、下流域のアンジュー&ソミュール地区、中流域のトゥーレーヌ地区、上流域の中央フランス地区の4地区に大別されます。

今回は「トゥーレーヌ」のワイン3種を取り上げました。

トゥーレーヌ地区は、前回訪れたアンジュー・ソーミュール地区と隣接しているエリアです。中心都市はかつての州都トゥール。ルネサンス期の美しい古城が立ち並ぶ観光地でもあるトゥーレーヌ地域には有名な城館とほぼ同じ数だけの栽培地があります。葡萄畑の多くもまた同じところにあるので、トゥーレーヌ地区のAOC名称は、城館の名称とその地方の名称を結びつけたものがほとんどです。
 フランス宮廷がこの地に置かれたため、古くからワインの醸造や交易が盛んでした。中世の時代からボルドーをしのぐとまで称されたワインの歴史の長い地域でもあります。ジャンヌ・ダルクゆかりのシノン城があるのもこのトゥーレーヌです。

大西洋から150Kmしか離れていないので、海洋性の気候の影響を受けますが、東側は、厳しい冬と暑い夏という大陸気候の性格をも持ち、それにロワール河とその支流がもたらすミクロクリマ(微気候)が加わるので、多様なワインが造られます。
 豊かな土壌を持ち、野菜や果物の栽培が盛んで「フランスの庭」と称されます。植えられているブドウ品種も多岐にわたり、その種類の豊富さでも有名な産地です。
パリまで1時間という近さにありながら、2つの気候の影響を受けた豊かな土壌でさまざまなブドウを育て、ワインへと加工しています。

この地方で作られるワインで代表的なものは、「トゥーレーヌ」や「シノン」です。強い個性の味わいを持ったワインというわけではありませんが、飲みやすく安価なのが特徴です。赤・白・ロゼ、スパークリングワイン、辛口・甘口と、幅広いワインがそろうのがトゥーレーヌワインの持ち味でもあります。広範囲に流れるロワール川とその支流の気候が豊かな味わいをもたらしている産地ならではです。


トゥーレーヌ地区のワインの中から、今回は、ヴーヴレイ、シノン、そしてトゥーレーヌの独自品種「ロモランタン」で造られたワインの3種をテイスティングしていただきました。


今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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