6月19日は、「いろんなワインを味わいたい/ワインのことをもう少し識りたい」方に向けて開催しております体感型ワイン・テイスティング講座、「Wine Lovers Club」を開催致しました。
参加下さいました皆さま、ありがとうございます♪

ただいま、「フランス」の生産地域と葡萄品種の関係にフォーカスしたテーマでワインをセレクトして開催しております「Wine Lovers Club」。
フランスの“ワイン産地”にフォーカスして、さまざまなフランスワインの産地を巡っています。

フランスワイン産地を巡る旅の第9回目からは「ロワール」に入りました。

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ロワール河は、フランス中央山塊に源を発して北上、パリの南西方向に100Km離れたオルレアンの町で大きく西に向きを変え大西洋に注ぐ、約1,000Kmのフランス最長の大河。その大河流域周辺一帯の産地を総括して呼ばれるのがロワール地方です。
日本で言えば、関東地方ほどの面積の地域に、60を超えるアペラシオンが存在し、ブドウ品種もシュナン・ブランやカベルネ・フラン、ミュスカデ・・・など、多品種から多彩なワインが生み出されています。

ロワール河流域のワイン産地は通常、河口周辺のナント周辺地区、下流域のアンジュー&ソミュール地区、中流域のトゥーレーヌ地区、上流域の中央フランス地区の4地区に大別されます。

今回はそのひとつ「ナント周辺地区」のワイン3種を取り上げました。
ナント周辺地区を代表するアペラシオンのひとつが「ミュスカデ」です。

1709年のナント地区を襲った大寒波。その寒波はフランスでもっとも大きなロワール河を凍結させるほどの威力で、それによりナント地区の葡萄は、ほぼ全滅してしまいました。
葡萄の生産者たちは悲しみに暮れていましたが、それでもワイン造りへの情熱を絶やすことなく、大寒波に負けないように「寒さに強い葡萄」を栽培しようと考えました。
そこで自分たちの地区よりもずっと気温が低い地区「ブルゴーニュ」で栽培されている葡萄「ムロン・ド・ブルゴーニュ」(ブルゴーニュのメロンの香りのする葡萄、という意味)に白羽の矢を立てました。
ブルゴーニュで栽培されていた「ムロン・ド・ブルゴーニュ」は名前の通りメロンの香りがしていたかもしれませんが、気候や土壌の違いからか、現在、ロワール地方で栽培されているミュスカデにはメロンの香りはありません。この「ムロン」が、「ムスク(麝香・じゃこう)」となり、だんだんと変化して、「ミュスカデ」の語源になったと言われていますが、実際のところはよく分かっていません。

ミュスカデ」は醸造過程で生成される澱引きをせずそのまま春までおいておくという「シュール・リー製法」で醸造されることが多いワインです。

それ以外にも、ナント周辺地区固有の品種で、葡萄にしては珍しく“クエン酸”の寄与を大きく感じる「グロ・ブラン」、そしてナント周辺地区では「フィエ・グリ」とも呼ばれる「ソーヴィニヨン・グリ」主体のワインを取り上げました。


今回取り上げましたワインのノートは下記のとおりです。

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